コイン投げの実験アドインは、学生が様々な要因を調整しながら、確率を学び、シミュレーションを実行することができます。
ボストン大学 統計の講義をダイナミックに
JMP®アドインで、よりインタラクティブで楽しい学習を
Challenge | 統計学の講義をより魅力的なものにする |
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Solution | JMPスクリプト言語を使用して、インタラクティブにシミュレーションが行えるアドインを作成し、講義で説明された理論を実際に試す環境を用意。 |
Results | 学生は明らかに、このインタラクティブなアプローチによって、より積極的に講義に取り組むようになった。彼らは今、また別のアンケート結果を議論し、さらに掘り下げた分析を行なう傾向にある。 |
「2番ドアの向こうには何がある?」おそらくボストン大学の学生は、統計の講義に申し込んだときには、このような問題に取り組むとは思わなかったでしょう。
ボストン大学では、入門レベルの講義を刷新し、学生がより積極的に講義に参加できるよう取り組んでいます。その一環として、統計学教授Luis Carvalho氏と研究助手 Ian Johnston氏は、指導をよりダイナミックで双方向的なものにするために、2つの講義のカリキュラムを再設計しました。
伝統的に、「基本統計と確率」と「応用統計」のような講義では、小グループでワークシートを囲み、電卓のキーを叩いて解決しようとするものです。
「この古いモデルが念頭にありましたが、私たちはもう少し刺激的なものにしたかったのです」とJohnston氏は説明します。「そこで、ワークシートをそのままコンピュータ上に置いて、JMPで分析することにしました」
Johnston氏は、独学で JMPスクリプト言語(JSL)を学び、アドインを構築しました。こうしたカスタマイズされたスクリプトは、まさに「2番ドアの向こうには何がある」のかを推測する確率などの問題に四苦八苦する学生を導き、講義を活性化しました。
JMP® でJSLを書く
Carvalho氏の専門領域は、高次元データおよび生物学への応用と、ベイズ統計です。Johnston氏は博士課程で研究を進めつつ、Carvalho氏と疾患のリスクの関連を調べるゲノムワイド関連解析の共同研究を行っています。Carvalho氏の統計の講義を再構築することが、彼らにとって、もう一つの共同作業となりました。
「私たちは、データ分析の実習を伴う講義を作りたい、そしてその実習では学生にソフトウェアを使ってほしいと思っていました」とJohnston氏は話します。「しかし、どのソフトウェアにすべきかは、分かっていませんでした」
ある時、JMPアカデミックアンバサダーのMia Stephensが、ボストン大学でプレゼンテーションを行いました。Johnston氏は、それについて「JMPで何ができるかについての素晴らしいプレゼンテーションで、非常に感銘を受けました」と語っています。
特に興味をひかれたのは、最小二乗法による回帰モデルの例でした。StephensはJMPで散布図を作成し、データに直線を当てはめ、モデルのあてはまり具合を表すレポートが、すぐに表示される様子をデモンストレーションで説明しました。
そうして、JMPを講義で利用することが決定されました。対話型のワークシートを提供するアドインの構築には、JSLを使用します。学生は講義で統計の基本的な概念を学び、その後の実習で、実際にアドインを使ってJMPでデータを分析します。
「私たちは、学生がコンピュータからデータセットを読み込み、JMPで分析して結果を出力し、自分で解釈できるよう望んでいました。まさに、JMPはそれをワンストップで実現したのです」とJohnston氏は説明しました。
しかし、そのためには、アドインを設計しなければなりませんでした。
「教授と私は、学生に実行させたいスクリプトを用意するつもりでした」とJohnston氏は続けます。「学生がアドインを使って、そのスクリプトを実行できるようにするため、JMPでスクリプトを作成しようと考えたのです」
しかし、それがうまくいかなかったので、Johnston氏は、任意のレポートで、解析を再現させるためのJSLを生成する機能である、JMPのスクリプトの保存の機能を実行しました。
「それはとても役立ちました」とJohnston氏は言います。「JMPが生成したJSLを見ると、自分に何が欠けているのかが簡単に分かるようになりました。」
「JSLのベストライターは、JMP自身なのです。」
どのドア?
「JMPとアドインは、学生がより講義に集中するのに役に立ちます」とCarvalho氏は述べています。「彼らは、アドインを使ってシミュレーションを実行し、理論的な概念をより正確に把握できるようになりました」
学生はダイナミックな講義を楽しんでいる、とJohnston氏は話します。「彼らは皆、講義に積極的に参加して楽しんでいます。それは本当に双方向的なことなので、とても嬉しいです。ある学生が自身の見解を主張したい場合、非常に簡単に他の学生に示すことができ、また他の学生も自分のコンピュータでそれを試すことができます」
Carvalho氏とJohnston氏がデータセットを作成する場合も、学生が独自に作成する場合もあります。講義の開始前に、学生たちへのアンケート調査から作成されたデータセットがあります。そのデータには、お気に入りの音楽ジャンル、訪れたことがある州の数、携帯電話に登録している電話番号の数、またその中で覚えている番号の数、などが含まれています。
学生は、このデータの分布を分析し、モデルをあてはめました。
そして、アドインを使用することで、いわゆる「モンティ・ホールの問題」をシミュレートできるようになりました。
あなたは、クイズ番組に出場していて、3つのドアのどれか1つの後ろには車が隠されています。あなたは車を手に入れるために、ドアを1つ選びます。司会者が、選ばれなかった2つのうち、1つのドアを開くと…そこに車はありません。そこで、あなたはドアを選択しなおす権利があります。別のドアに変えますか?
あなたは、選ぶドアを変えるべきです。Marilyn vos Savantが、 Parade誌の「マリリンに聞こう」コラムで論じたように、選ぶドアを変更した人は、車を当てる確率が当初の三分の一から三分の二になったのです。
これは難問です。そこで、Johnston氏は、ドアの数を10個に増やし、それぞれ100回実行できるアドインを設計しました。
「学生がそのアドインを使って議論しているところをお見せしたいです。なぜなら、学生たちは議論しながらシミュレーションしているからです。彼らはゲームをしています。「信じられない」、「意味が分からない」、と言いながら。彼らはそれを反証できるはずです」
学生は、開かれていない2つのドアの後ろに車がある確率が50:50ではないことを信じたくありません。「しかし、アドインが変えたのです」とJohnston氏は続けます。
学生たちは、ここで統計についての何かを学び、そして少しだけ楽しさを覚えました。
「私の経験では、彼らは今、本当に意味のあるグラフや要約統計量を思いつくことができるということ、そしてそれは、彼らのプロジェクトの当初に挙がっていた疑問に答える手助けになることを理解しています。特に、彼らがより成熟し、より統計的概念に精通する講義の終わりに成果として出てくるでしょう」とCarvalho氏は述べます。
「JMPは非常に使いやすいインターフェイスを持っています。」と彼は付け加えます。「学生が統計を学ぶ上でのハードルを低くしてくれます。それは私が講義でJMPを使っていて、最も嬉しい点です」
JMP® の先へ
Johnston氏は、マウスで操作できるJMPのインターフェイスは、学生、特に統計を初めて学ぶ学生にとって、理想的な選択だと同意しています。
「基本的な統計と確率、そして応用統計の入門など、このタイプの講義では、彼らは簡単にJMPに慣れ、講義で議論した内容を実習で実施します。JMPなら、プログラミングには焦点を当てる必要がないのです」と彼は続けます。
また、学生は、JMPのWebサイトから質問を送信したり、資料を参照できます。「質問の答えを得ることは非常に簡単です」とJohnston氏は断言します。
Carvalho氏とJohnston氏、そして学生たちも、JMPのグラフビルダーがお気に入りのツールです。
「信じられません。ドラッグ&ドロップでさまざまなグラフが作成できるのです。そして[終了]ボタンを押した後は、そのグラフをコピーして、あらゆる形式のドキュメントに貼り付けられるなんて」
「講義が終わった後も、JMPで分析していることについて議論したい学生からメールをもらいます。本当に嬉しいことです」と彼は言います。
JMPは非常に使いやすいインターフェイスを持っています。
学生が統計を学ぶ上でのハードルを低くしてくれます。
それは私が講義でJMPを使っていて、最も嬉しい点です。
Ian Johnston氏
ボストン大学 研究助手
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