ユーザー事例
マーケティングのデータ革命が創造性を新しいレベルへ
広告代理店であるJ. Walter Thompsonは、JMP® Proを使用して効果測定、エンゲージメント、販売促進
J. Walter Thompson
チャレンジ | クライアントの投資収益率を測定するために、より効率的なコンテンツを作成し、最終的に売上を増やす。 |
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ソリューション | オンライン購入者が残したデータやブランド化されたコンテンツとの相互作用を分析し、高度に処理されたデータを使用して、J. Walter Thompsonの各クライアントに合わせた個人レベルのエンゲージメントとターゲット設定を行います。 |
成果 | クライアントが、データ、コンテンツのリーチ範囲、コンバージョン率をすべて正確に可視化し、簡単に理解できる効果的なダッシュボード。 |
クリエイティブ・マーケティングは、非常に厳しい分野です。企業は、見栄えがよく、魅力的な顧客中心のキャンペーンを考え出し、さらにその取り組みによって顧客の売上と成長が促進されたことを証明する必要があります。また、広告キャンペーンの成功を測定する明確な方法がないことが、この課題をさらに難しくしています。 たとえば広告費1ドルあたり、何ドルの売上金が発生したかを判断することはできません。そのため、広告代理店はクリエイティブな分析を行い、そのクライアントは成功をより包括的に定義する必要がありました。しかしながら、最終目標は直接販売を増加させることであるため、やはりキャンペーンと売上向上の因果関係を証明することは難しくなります。
広告代理店の大手J. Walter Thompsonは、その状況を変えようとしています。
J. Walter Thompsonの幹部は、徹底した分析戦略を策定することで、データ駆動型の広告アプローチを開発・追求する先駆者となっています。同社の伝統的な強みは革新と創造です。1864年に設立され、米国でマーケティングと広告が始まったばかりの時期に宗教関係の出版物の広告スペースを販売していました。J. Walter Thompsonは、米国でグローバル展開を行った最初の広告代理店の1つであり、初めてアーティストや作家を採用してクライアント向けのカスタムメイドの広告を作成しました。現在は、データ駆動型アプローチの開発・追求により、再び広告業界をリードしています。
分析は広告戦略の未来
Huw Davisは、J. Walter Thompsonのアジア太平洋地域におけるデータと分析のリーダーで、マーケティング、販売、一般的なビジ ネス環境におけるデータサイエンス・アプリケーションの専門家であり、同社が集中的に取り組んでいるクリエイティブなプロセスをリードしています。彼が最初に実行したのは、JMP Proの導入でした。独自のツールを構築するのではなく、JMP Proを選択した理由は、「私たちにとって大事だったのは、ソフトウェア開発の勉強ではなく、早急な開発だったのです」と彼は述べています。また、JMP Proは使いやすく、必要な機能とワークフローをすべて1か所で利用できるとも述べています。Davisは成長中のチームと共に、クライアントに提示できる成功のための数値的尺度を作ろうとしています。「私たちは改善を可視化したいと考えています」と彼は説明します。「そうすることで、私たちの取り組みの有効性を証明できるのです」
目標は、ニュースレターメール、ソーシャルメディアの投稿、テレビやラジオのスポット広告、雑誌の広告、その他無数のチャネルなど、クライアントのマーケティングキャンペーンから生成されたさまざまなデータを使って作業し、そのデータを統合して処理し、コンテンツと販売の相関性の尺度を導き出します。それはシンプルなことに思えますが、J. Walter Thompsonのようにグローバルビジネスを展開している代理店では、多くのデータを生成しており、また市場の成熟度に差異があるため、それぞれの基準は異なります。
データを処理してコミュニケーション効率を高める
Davisは、家電製品の多国籍企業向けの最近のプロジェクトで、15の異なる販売地域および製品から、59の異なるデータファイルを入手しました。「私はJMP Proを使用して、すべてのデータをクレンジングして、調査を行いました。たとえば、香港で、ある企業の製品を購入した場合は、その製品に付属のアクセサリも一緒にJMP Proに登録することができ、それぞれを個別に識別できます。また、そのクライアントが運営しているスクールに通い、製品の使用方法を学ぶこともできます。」と彼は説明します。クライアントと消費者の各接点でデータポイントを作成しましたが、すべてに異なる価値がありました。
「私たちは、ファイルの重複排除と結合を行い、それをまとめました。最初、レコード数は約220万件でしたが、クレンジング後は、 それぞれの消費者の情報を1つのレコードにして、最終的に90万件になりました。また、ダッシュボードを作成することで、クライアントがこうしたレコードを見やすいようにしました。JMP Proは 実践的で役立ちます。いくらダッシュボードが良くても、データが壊れていれば意味がないのです」
Davisは、この徹底的な分析により、顧客のメールマーケティング戦略を最適化するための戦略を考案することができました。「2週間ごとにニュースレターを送信してくれるので、ニュースレターで人々が何をクリックしているのか、何に興味があって何に興味がないのか、なぜコンテンツをクリックしないのかを知ることができまし た。私はJMP Proを使ってパーティショニングを行うことで、反応率の高い人たちに、本当に集中することができました」
J. Walter Thompsonは、この高度にターゲット設定されたアプロー チにより、可能な限り効率的に個々のクライアントレベルで提供するコンテンツを適合させることができました。「反応の良い人たちのために、関連性をさらに高めたいと思っていますが、そのために誰かを置き去りにする必要はありません。このコンテンツに反応していない人たちを取り込みたいとも思いますが、別の性質のコン テンツを特定するでしょう。」最終的に、Davisの分析により、標準化された販売戦略を各国のクライアントのオフィスに展開して導入することができ、その効果を証明することができました。
この成果は、J. Walter Thompsonの取り組みの一例に過ぎません。同社は、データを使用して包括的なデジタルマーケティング戦略をクライアントに構築することに成功しています。Davisはこの例で、適切なメッセージで適切な顧客をターゲット設定することで、クライアントが大幅に利益を上げることができるということを証明できました。彼は、社内トレーニングの一部でこのケーススタディを一例として使用しています。「JMP Proは理想的です。なぜなら、私たちがやることの多くは長期的なシステムを実装しようとするものではないからです。また、一度限りのプロジェクトにも取り組むこともあるのです」
デジタル・ナレッジでクリエイティブなコンテンツの有効性を高める
オンラインマーケティングとデジタルマーケティングの重要性が高まり、ブランド企業はメッセージの調整や、マーケティングコミュニケーション戦略の修正、顧客への対応を容易に行えるようになっていますが、それを実現するには、効率的かつ正確なデータ処理が不可欠です。「私はソーシャルメディアのコンテンツを分析するために、JMPと多くの共同作業を行っています。私たちは、コンテンツを属性に細分化して、コンテンツの有効性を確認しています」とDavisは説明します。「コンテンツの1つがオンライン上のソーシャルメディアで成功したことを知るのは素晴らしいことですが、なぜ他よりも効果があるのでしょうか?」
Davisの取り組みは、このデータ主導のアプローチのメリットについて、J. Walter Thompsonのクライアントに伝えることにも役立っています。「クライアントは常により効果的なコンテンツを望んでいます。私たちは、デジタル・ナレッジを使用して、独自に作成しているソーシャルコンテンツを通して人々を追跡し、どのような種類のコンテンツによって私たちが構築しているクリエイティブな戦略の有効性が高まっているかを把握しています」
説明できるようになるためには、構造化された方法で物事を測定する必要がある
クライアントが従来の広告戦略を、J. Walter Thompsonに求める場合でも、Davisは、データが付加価値をもたらし、最終的にはデジタルに関して遅れているブランド企業を変革できると確信しています。「最も重要視しているのは効果測定ができることです。より多くを測定できるようにするためには、構造化された方法で物事を測定しなければなりません」と彼は述べます。「クライアントの改善点の研究結果を測定するだけではなく、これらの製品を購入する人の数を増やして、株主の利益をどのように高めるかということも大切です。そのため、私は人々にJMPの活用を勧めています」
他のデータ主導の戦略とは異なり、Davisはハード分析を使用し、ソフトメトリクス(クライアントに関する会話、ブランドエンゲージメント、新しいアイデア)で顧客を関連付けています。測定はあまり簡単なことではありませんが、こうした会話を通じて、 J. Walter Thompsonと提携したクライアントは、生涯にわたって製品を使用する顧客を獲得することができます。