電子技術応用における幅広い分野で、顧客にサービスを提供しているグローバル半導体企業のリーダーであるST社のエンジニア達は、次世代の高性能電源技術にフォーカスしています。
信頼性の高い、高性能電源を開発
STマイクロエレクトロニクス社のエンジニアは、使いやすさと効率性を重視
課題 | STマイクロエレクトロニクス社の約13,000名の研究者は、さまざまな半導体デバイスの設計・製造の基準を設けています。半導体機器メーカーは極めて短い期間で、極めて複雑な工程を行う必要があります。 |
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ソリューション | JMP®は、このイタリア企業のエンジニアの日々の業務に欠かせないツールとなっています。部署でもJMPを導入し始めています。 |
結果 | エンジニアはJMPを使って膨大なデータを処理、分析し、新製品開発では実験計画を活用しています。分析結果を明確かつ簡潔に関係者やお客様に伝えています。 |
STマイクロエレクトロニクス社(以降、ST社)は、世界第5位の半導体デバイスメーカーで、ディスクリート・ダイオードやトランジスタ製品から包括的なプラットフォーム・ソリューションまで、業界トップクラスの幅広い製品提供しています。
スイスのジュネーブに本社を構えるこの多国籍企業は、産業用、車載回路用、携帯電話用カメラモジュール、さらには、近年成長の著しい、センサーやエアバッグ、ペースメーカーに搭載される加速度計で使用されるマイクロエレクトロ・メカニクスシステム市場向け製品など、幅広い半導体を販売しています。
ST社の愛称で広く知られているSTマイクロエレクトロニクス社は、競争の激しい半導体業界におけるリーディング企業です。より高度な技術への要求は止まることはありません。エンジニアは、この要求に応えながら、短い納期で複雑な製造工程に対応しなければなりません。
この厳しい条件を満たす責任を負うのは、Matteo Patelmo(マッテオ・パテルモ)氏、Diego Gerosa(ジエゴ・ジェローザ)氏、 Vincenzo Palumbo(ヴィンチェンツォ・パルンボ)氏を始めとするST社のエンジニアで、技術開発部はミラノ近郊にあるアグラーテ・ブリアンツァにあります。ST社のエンジニアは、高電圧・高出力アプリケーションに対応できるスマートパワーテクノロジーに注力しています。スマートパワーはST社の中核事業で、アグラーテ・ブリアンツァではこの技術の研究・開発・製造が行われています。
JMPは探索的にデータ分析を行うことで、データに埋もれている重要な情報を浮き彫りに
デバイス・エンジニアリング・マネージャーであるMatteo Patelmo(マッテオ・パテルモ)氏は、約10年に渡りJMPを業務で活用してきました。 JMPの多くのユーザー同様、パテルモ氏もデータを可視化する高いグラフ機能とソフトウェアの使いやすさにまず惹かれたと言います。大学で少し統計学を学んだものの、専門的な勉強はしてきませんでした。「JMPでは、統計の知識は必要ありません」と、パテルモ氏は述べています。「標準偏差などの基本さえ分かっていれば十分です。」
JMPは「好奇心を刺激します」とパテルモ氏は付け加えます。「分析結果を見ていると、見慣れない因子が出てきて、それはどういう意味だろうと調べてみると、有用な情報を引き出すことができ、結果として、役に立つ新しい知識を増やしていけます。」
パテルモ氏を始めとするST社のエンジニアは、近年発売した新製品に取り入れた技術の管理をしています。製造工程の最後には、すべてのパラメータが仕様通りであることを確認するための試験が行われます。しかし、生産のための環境が完全に整う前に新製品が開発されてしまう場合もあります。これは新製品リリースの大きな障害となります。
パテルモ氏は「当社は非常に速いペースで実際の製造工程へと進めていく必要がありますが、環境が整っているか否かにかかわらず、仕様は全て満たされていなければなりません。」と、述べています。「例として、製品を実際に製造する前に、ツール上で結果を見ることができるJMPを使うことにより、この作業がとても簡単になります。」
エンジニアは製造工程に潜む問題を解決するために、分析ツールを活用
製造ラインがスタートすると、400~500もの工程を3ヶ月程度で終わらせなければなりません。工程の最後のほうで問題(パラメータが仕様を満たしていないなど)が見つかった場合、パテルモ氏が率いるチームは、JMPのパーティションの機能を使って、ロットの履歴を調べ、製造にどの設備が使用されたかを確認し、問題を起こしたロットと、問題のないロットを比較します。JMP を使うことにより、ST社のエンジニアは問題の原因となっている可能性のある箇所を特定し、適切な措置を取ることができます。
「このような洗練された便利さこそJMPならではと言えるでしょう。」と、パテルモ氏は述べています。「パーティションは複雑ですが、とてもパワフルなツールです。幸いなことに、毎日、問題は発生するわけではありませんが、問題が発生する時もあります。発生した時に、いとも簡単にデータを管理できると知っていることが大きな安心感につながっています。」
カスタム計画による実験計画が特定のパラメータの関連性を提示
Diego Gerosa(ジエゴ・ジェローザ)氏は、JMPを使うデバイス・エンジニアで、さまざまなデータソースから抽出した大量のデータを管理しています。異なるデータソースからのデータを素早く簡単に分析、操作できるところが気に入っていると言います。実験計画(DOE)も製品開発には欠かせないツールだと言います。ジェローザ氏は温度や気圧が製品に与える影響など、さまざまな変数を分析するための実験計画を立てています。
研究開発部のテクノロジー・ライン・エンジニアであるVincenzo Palumbo(ヴィンチェンツォ・パルンボ)氏は、JMPを使ってさまざまなパラメータを関連付けたり、どのパラメータがウエハーの特徴で、製品のある部分により大きな影響を及ぼすかを見極めています。パルンボ氏は、JMPを問題解決・トラブルシューティング用ツールとして使用しています。「私の業務では膨大なデータを分析する必要はありません」と、パルンボ氏は述べています。「新しく開発した部品やアーキテクチャにパラメータがどう作用するかを分析するのが、私の仕事です。」パルンボ氏は、JMPのDOE、箱ひげ図や相関のグラフ、変動性図/計数値用ゲージチャートなどを使用しています。
ST社の社員は、JMPはプレゼンテーションでも威力を発揮すると評価しています。「かつては膨大なデータを1つのグラフに詰め込み、わかりにくい見栄えとなっていましたが、現在ではJMPを使うことで、お客様に適切なメッセージを簡単に伝えることができます。」とパテルモ氏は述べます。「どのデータをどのように見せたいかを選ぶだけで、グラフが完成します。」
ジェローザ氏も口を揃えます。たとえば、データテーブルとグラフのリンク機能を使うことで、「データの持つ意味を可視化するインタラクティブなプレゼンテーションを作成し、本当に伝えたかったことをより明確に伝えることができるようになりました。」
JMP®の展開
パテルモ氏はST社内で使用するための、定型業務を自動化したJMPスクリプトをいくつか作成しました。「これにより、多くの社員がJMPを使い始めました。私は部下全員にJMPを使うように勧めています。」
ジェローザ氏はJMPを使うメリットを次のようにコメントしています。「何と言っても使いやすい。膨大なデータも簡単に処理して、相関関係を特定し、分析結果を他者と共有することができます。JMPは私にとって欠かせないツールなのです」と、パテルモ氏は述べています。
かつては膨大なデータを1つのグラフに詰め込み、わかりにくかったのですが、JMPを使うことで、お客様に適切なメッセージを簡単に伝えることができます。
マッテオ・パテルモ氏、
ST社エンジニア
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