JMPテクニカルニュース:2022年5月号

ついに「JMP テクニカルニュース」新創刊です!

本メールマガジンでは、JMPの技術的情報を配信します。JMPを使った分析例、便利な使い方、お勧めの機能など、JMPに興味がある方から、利用し始めの方、長年利用されている方までお役に立てる情報を提供していきたいと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

また、本メールマガジンを、組織内のJMPユーザーや興味がある方、研究パートナーの方などへ、ぜひご紹介ください。



今月の分析レポート
「年齢別、年別の交通事故死者数は?~ ヒートマップの利用 ~」

今月の分析レポートは、2011年から2021年の11年間について、年齢を5歳ごとに区切り、年齢層別人口10万人あたりの死者数のヒートマップです。 

縦軸に年齢層、横軸に年を指定し、該当するセルに対する色の濃淡(青~赤)で年齢層別人口10万人あたりの死者数を示します。

※ データの出典:警視庁 交通事故統計

交通事故による死者数は、2011年が4,691人であったのに対し、昨年2021年では2,636人と、率にして44%も減少しています。この間、死亡者数は年々減少傾向にあります(実は1993年ごろからですが)。

その要因として、政府や関係組織の取り組み、運転する方の安全意識の向上、自動車の安全性能向上、近年では新型コロナウイルスの影響により外出を控えるといった要因が考えられますが、年齢層で分けたらどのようになるかと考え、「年」に加え「年齢層」も一つの軸として可視化したのが、上記に示したヒートマップです。このヒートマップから言えることを、ぜひとも考えてみてください。

ヒートマップとは

ここでいうヒートマップとは、複数のカテゴリカル変数(名義/順序尺度)の組み合わせに対し、数量を色の濃淡で表すグラフです。今回のように、年齢層、年の2つの組み合わせで数量を全体的に眺め、特徴をつかむといった目的で利用されます。

JMPで描く方法

JMPでは、「グラフビルダー」のプラットフォームで、以下のようにヒートマップを描くことができます。

準備:軸に指定する変数「年齢層」と「年」は名義(順序)尺度に、数量を示す「死者数」は連続尺度にそれぞれ設定しておきます。

1. 「グラブビルダー」で、「年齢層」を[Y]に、年を[X]に指定します。さらに、「死者数」を[色]に指定します。

2. ウィンドウ上側にあるアイコン群から [ヒートマップ]のアイコンをクリックします。

今回ご紹介したヒートマップも含め、交通事故件数の推移や、都道府県別の交通事故件数など、交通事故に関するさまざまなデータを可視化したものを、JMPの分析共有サイト「JMP Public」にて公開しています。このサイトでは、サイト右上にあるアイコン(右図の赤枠で囲った箇所)をクリックすることにより、データテーブルをダウンロードできますので、ご興味がありましたら、いろいろな分析をお試しください。

交通事故の発生状況 | JMP Public



分析作業を効率的に! JMPで役立つキーボードショートカット

最近、書店に行くと、「脱マウス」 や「時短ワザ」といった名前で、パソコンやソフトウェア操作におけるキーボードショートカットを紹介した書籍を多く見かけます。

実はJMPにも、多くのショートカットキーによる操作があり、知っていると、素早く効率的に分析作業が行えます。ただ、とにかくたくさんショートカットキーを覚えるというのは大変なので、ここでは実際に分析作業をするときに、筆者が特に有用だと感じるものを3つ紹介します

※ 以下はWindows版でのショートカットキーの説明です

その1:[F6] 、[F7]

データテーブルで選択された行を点滅表示させます([F6] は前の選択行に、[F7]は次の選択行に対して)。

便利なケース

JMPでは、グラフ上で気になるデータを選択すると、データテーブルで対応するデータ行が選択されますが、データ行数が多いと、次の選択行を選択するのが少し手間です。このとき、[F7]キーを押すと、即座に次の選択行に移ることができます。

その2:[Ctrl]+[Shift]+[+]、[Ctrl]+[Shift]+[-]

フォントサイズを大きく/小さくします。JMPのデータテーブルやレポートに対し、[Ctrl] + [Shift] + [+] でフォントサイズを大きく、[Ctrl] + [Shift] + [-] で小さくできます。

便利なケース

レポート(統計量やグラフ)のフォントサイズをインタラクティブに大きく(小さく)したい場合、このショートカットで、徐々に大きく(小さく)できるので、適当なフォントの大きさに調整できます。

右上の図は軸などのフォントを小さくしたとき、右下は大きくしたときです。

その3:[F9]

開いているすべてのウィンドウを一覧表示します。
JMPをアクティブにしているとき、[F9]キーを押すと、右図のように、JMPで開いているすべてのウィンドウを表示でき、この中から、開きたいウィンドウを選択できます。



SNSで注目された JMPのTipsランキングを発表

弊社では、今年2月から3月にかけて、SNS(TwitterとFacebook)に、いくつかのTips(便利な機能)動画を投稿しました。
そこで、動画がSNSに表示された回数や再生回数を独自に集計して、Tipsトップ3を決めましたので、ここで発表します。

第1位:統計手法名で検索して、ヘルプと利用事例をみる

[統計の索引]メニューから、統計手法名で、JMPのヘルプやサンプルデータにより分析例を検索できます。

動画のリンク(Twitter)

第2位:仮想結合

JMPでは複数のテーブルを仮想的に結合でき、メモリや処理時間を節約できます。

動画のリンク(Twitter) 

第3位:一致するセルの選択

データテーブルで特定のセルを選択し、右クリックメニューから[一致するセルの選択]を選ぶと、同じ値をもつ行がすべて選択されます。

動画のリンク(Twitter) 


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SAS Institute Japan株式会社 JMPジャパン事業部
JMPテクニカルニュース担当
jpnpmg@jmp.com