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[正規]オプションを選択すると、正規分布のパラメータが推定されます。正規分布は、分布が左右対称で、ほとんどのデータが中央にある分布です。正規分布は、負の値や小数点などが、データにあってもかまいません。[正規]を選択し、正規分布がデータにどれほど良くあてはまるかを調べてみることができます。
μ(平均)は、X軸上での分布の位置を定義します。
σ(標準偏差)は、分布のばらつきまたは広がりを定義します。
標準正規分布ではです。「パラメータ推定値」レポートには、μσの推定値、および上側と下側の95%信頼限界が表示されます。
E(x) = μ
Var(x) = σ2
[対数正規]オプションを選択すると、2パラメータの対数正規分布があてはめられ、パラメータμ(尺度)とσ(形状)が推定されます。対数正規分布に従う変数Yを、と変換すると、Xは正規分布に従います。データはゼロより大きくなければなりません。
E(x) =
Var(x) =
Weibull分布は、α(尺度パラメータ)とβ(形状パラメータ)によって決められる分布です。特に機械装置や生物学上の寿命を推定するときのモデルとしてよく使用されます。
E(x) =
Var(x) =
[Weibull]オプションでは、閾値パラメータ(θ)が0に設定されます。[閾値つきWeibull]オプションでは、データの最小値を使って閾値パラメータ(θ)を推定し、残りのデータを使ってαβを推定します。閾値パラメータが既知の場合は、[分布パラメータの指定]オプションで、その値を指定してください。第 “あてはめた分布のオプション”を参照してください。
[極値]分布は、2パラメータのWeibull分布における(α,β)を、δ = 1 / βおよびλ = ln(α)に変換した分布です。
βが1であるWeibull分布は、指数分布です(このとき、Weibull分布のαは、指数分布のσに対応しています)。また、αが1であるガンマ分布も、指数分布です。
E(x) = σ
Var(x) = σ2
Devore(1995)などによると、指数分布は無記憶性の分布です。「無記憶性」とは、t時間後にまだ正常に機能している部品の、t時点以降での生存時間分布(t時点以降の生存時間の条件付き分布)が、元の生存時間分布と同じになることです。
[ガンマ]オプションを選択すると、ガンマ分布があてはめられ、α > 0、σ > 0 というパラメータが推定されます。αは分布の形状を、 σは分布の尺度を表します。「閾値」θ)と呼ばれる3番目のパラメータは、分布の下限値を示します。この閾値パラメータは、デフォルトでは0に設定されていますが(負のデータ値がない場合)、 [分布パラメータの指定]オプションを選択すれば、任意の値に変更できます。第 “あてはめた分布のオプション”を参照してください。
E(x) = ασ + θ
Var(x) = ασ2
σ = 1の時のガンマ分布は、標準ガンマ分布と呼ばれています。σを変更すると、分布がX軸に沿って伸縮します。このようなパラメータは、一般に、尺度パラメータと呼ばれています。
σ = 2、α = ν/2、θ = 0のときのガンマ分布は、カイ2乗分布になります。
α = 1、θ = 0のときのガンマ分布は、指数分布になります。
ベータ分布の中で、標準ベータ分布は、(0, 1)の区間しか取りません。標準ベータ分布は、割合などの0から1の範囲に収まるデータに対してよく使われています。[ベータ]オプションを選択すると、ベータ分布の2つの形状パラメータα > 0、β > 0が推定されます。また、「一変量の分布」であてはめられるベータ分布は4パラメータのベータ分布であり、下限と上限を決めるθσというパラメータも同時に推定されます。この4パラメータのベータ分布では、の区間にのみ値があります。θは最小値、σは範囲を表しています。標準ベータ分布は、θ = 0、σ = 1 です。
[分布パラメータの指定]オプションを選択すれば、パラメータを任意の値に設定できます。その際、上側の閾値はデータの最大値以上、下側の閾値はデータの最小値以下にしなければなりません。[分布パラメータの指定]オプションの詳細については、第 “あてはめた分布のオプション”を参照してください。
E(x) =
Var(x) =
[正規混合]オプションでは、正規分布の混合分布をあてはめます。多峰性の分布にも対応した柔軟な分布です。
2つもしくは3つの正規分布の混合分布をあてはめるには、[二重正規混合]もしくは[三重正規混合]オプションをそれぞれ選択します。または、[その他]オプションを選択して、k個の正規分布の混合分布をあてはめることもできます。グループごとに1つずつ個別の平均、標準偏差、全体に占める割合が推定されます。
E(x) =
Var(x) =
上の式で、μiσiπiはそれぞれ、第i群の平均、標準偏差、割合です。は標準正規分布の確率密度関数です。
[平滑曲線]オプションは、ノンパラメトリックな密度の推定値(カーネル密度推定)を計算し、平滑曲線をあてはめます。ヒストグラム上に平滑曲線が表示され、プロットの下にスライダが表示されます。スライダを使ってカーネル標準偏差を変更することで、平滑化の度合いを調節できます。[カーネル標準偏差]の初期値は、データの標準偏差に基づいて算出されます。
[SHASH]オプションは、sinh-arcsinh分布(正弦-逆正弦分布; SHASH分布)をあてはめます。SHASH分布は、正規分布に簡単に変換することができ、また正規分布を特殊なケースとして含んでいます。SHASH分布は、対称な分布と非対称な分布を含んでいます。SHASH分布の形状は、2つの形状パラメータ(γδ)によって決まります。SHASH分布の詳細については、Jones and Pewsey(2009)を参照してください。
メモ: γ = 0、δ = 1のSHASH分布は、位置、尺度がそれぞれθσの正規分布と同じです。
確率密度関数:ただし   θ < x < θ+σ;   0 < σ
確率密度関数: ただし   σ = 1の場合θ < x、   σ = -1の場合θ > x
z = ~ N(0,1)のとき、x ~ Glog(μ,σ,λ)
λ = 0の場合、一般化対数分布はLogNormal (μ,σ)に等しくなります。
nは標本サイズ
νはパラメータの個数
列に負の値がある場合は、正の値のみを対象とする分布は除外されます。また、連続分布のみが表示されます。連続分布でも、閾値パラメータがある分布(ベータ分布やJohnson Sb分布など)は除外されます。