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システム試験はコストが非常にかかるため、試験回数をどれだけ減らせるかが重要です。高次のすべての交互作用を試験するのは、ほぼ不可能であり、不要なことが少なくありません。経験的に言えることは、ほとんどの故障は、少数の構成要素の交互作用に起因します。故障を引き起こすと考えられる構成要素の最大の組み合わせのサイズ(交互作用の次数)を強度(strength)と言います。高い強度の交互作用までも検出したい場合には、試験の回数を増やさなければいけません。
被覆配列の構造や計算アルゴリズムの背景については、Colbourn(2004)、Colbourn et al.(2011)、Hartman and Raskin(2004)、およびMartirosyan(2003)を参照してください。因子水準に制約がある場合の被覆配列については、Cohen et al.(2007)およびMorgan(2009)を参照してください。
強度 tの被覆配列とは、t個の因子から構成されるすべての組み合わせを含む計画を指します。あるk個の因子から構成される特定の組み合わせで故障が生じるとします。その組み合わせでの故障を確認した場合、「その交互作用による故障を検出した」と言います。強度tの計画を使うと、t個までの因子の交互作用による故障を検出できます。
文献では、被覆配列を、因子被覆計画(factor covering design)と呼ぶこともあります。背景と詳細については、Yilmaz et al.(2014)、Cohen et al.(2003)、Dalal and Mallows(1998)を参照してください。
図20.2 強度2、レゾリューションIIIの計画
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図20.3 強度2の被覆配列