このバージョンのヘルプはこれ以降更新されません。最新のヘルプは https://www.jmp.com/support/help/ja/15.2   からご覧いただけます。


引き続き、「Drug.jmp」サンプルデータを使います。今度は、「薬剤」群ごとに回帰直線の傾きが異なるモデルをあてはめてみましょう。モデルにあてはめた後、この例では共変量xの特定の値で「薬剤」の水準の最小2乗平均を比較します。
1.
[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Drug.jmp」を開きます。
3.
「y」を選択し、[Y]をクリックします。
4.
「薬剤」「x」の両方を選択し、[マクロ]>[設定された次数まで]をクリックします。
これにより、「次数」ボックスで指定した次数までの項がモデルに追加されます。「次数」のデフォルト値は2 です。これで、「薬剤」「x」の主効果と、それらの交互作用である「薬剤*x」がモデル効果のリストに追加されたはずです。
5.
[実行]をクリックします。
以上のような指定によるモデルは、前節の傾きが等しい共分散分析モデルに、2つの変数(x4ix5i)が追加したものになります。これは、共変量に対する傾きが「薬剤」の水準ごとに異なるモデルになります。追加される2つの変数は、「薬剤」のダミー変数に共変量を掛けたものです。モデル式は、次のようになります。
異なる傾きを持つ共分散分析のコード変換は、このモデルのコード変換を示しています。なお、交互作用項において、連続尺度の変数は、Xの平均10.7333を引くことにより、中心化されています。
x1
x2
x3
Xの値
x4
aのときX-10.7333、dのとき0、fのとき-(X-10.7333)
x5
aのとき0、dのときX-10.7333、fのとき-(X-10.7333)
レポートの一部をプロットと交互作用に示します。「回帰プロット」に描かれている回帰直線は、傾きが異なっており、平行にはなっていません。「効果の検定」レポートを見ると、交互作用のp値は0.56で、 統計的には有意でありません。
図4.6 プロットと交互作用
次に、共変量xの特定の値で「薬剤」の水準の最小2乗平均を比較します。共分散分析モデルなどにおけるこのような比較は、スポットライト分析と呼ばれることがあります。スポットライト分析の詳細については、Spiller et al.(2013)を参照してください。
1.
2.
「多重比較」ウィンドウで、[ユーザ定義の推定値]を選択します。
3.
[薬剤の水準を選択]の下の3つの値をすべて選択します。
5.
[推定値の追加]をクリックします。
これは、 3水準の[薬剤]x = 12.5で比較したものを追加します。
6.
[OK]をクリックします。
「ユーザ定義の推定値」レポートには、共変量xを12.5に設定した[薬剤]の各レベルの最小2乗平均の推定が表示されます。「ユーザ定義の推定値」の[多重比較]の横にある赤い三角形のメニューには、推定値の間の差を検定するオプションが含まれています。
図4.7 「ユーザ定義の推定値」レポート
図4.8 全体平均との比較 グラフ