JMP 14.2オンラインマニュアル
はじめてのJMP
JMPの使用法
基本的な統計分析
グラフ機能
プロファイル機能
実験計画(DOE)
基本的な回帰モデル
予測モデルおよび発展的なモデル
多変量分析
品質と工程
信頼性/生存時間分析
消費者調査
スクリプトガイド
スクリプト構文リファレンス
JMP iPad Help (英語)
JMP Interactive HTML (英語)
機能インデックス
JMP統計機能ガイド
このバージョンのヘルプはこれ以降更新されません。最新のヘルプは
https://www.jmp.com/support/help/ja/15.2
からご覧いただけます。
品質と工程
•
管理図ビルダー
•
管理図の種類
• まれなイベントの管理図
前へ
•
次へ
まれなイベントの管理図
まれなイベントの管理図(rare event chart)は、工程における発生頻度の極めて低い事象(希少事象)に関するデータを調査するための管理図です。希少事象を従来の管理図で調査することは、あまり効果的ではありません。従来の管理図は希少事象を取り扱うのが難しかったのですが、まれなイベントの管理図はその問題を克服するために提案されました。管理図ビルダーでは、まれなイベントの管理図を2種類(G管理図とT管理図)作成できます。
G管理図は、まれに発生するミスや不適合事象が起こってから、次に似たような不適合事象が起こるまでの間の機会の回数に対する管理図です。G管理図のデータは、希少事象の発生から発生までの間のユニット数です。たとえば、商品が毎日製造される生産現場では、生産ラインの予定外停止が起きることがあります。この場合、ラインが停止してから次に停止するまでの間に製造されたユニット数をプロットしたものが、G管理図です。このようなデータを伝統的な管理図でそのままプロットしても、状況を理解する助けにはなりません。G管理図は、このようなデータを従来の管理図と同じような形式で視覚化できるため便利です。
T管理図は、前回の事象発生からの次の事象発生までの経過時間に対する管理図です。T管理図のデータは、希少事象が前回発生してから次に同じ希少事象が発生するまでに経過した時間です。まれな事象のデータは、事象が生じた回数を従来の計数値管理図でプロットすると、ゼロに点が密集し、たまに1に点が現れます。G管理図やT管理図では、多数の点が管理外と判定される事態を回避できます。G管理図やT管理図は、まれな事象のデータに対しても特殊原因によるばらつきなのか、一般原因によるばらつきなのかを区別することができます。
T管理図では、時間間隔数を表す負でない整数データを扱います。
•
ここで扱うデータは、ある事象が発生してから次に同じ事象が発生するまでの間隔数です。扱えるデータは、正の整数です。
•
イベント
i
と
i-1
の間の時間間隔数を表すデータが、分析対象です。
G管理図と同様、T管理図でも、故障などの事象が発生する間隔の変化を検出します。T管理図では、上限管理限界の上にある点は、ある事象の発生から次の発生までの時間が長くなっていることを意味し、 つまり、そのような場合は、事象の発生率が低下したと判断できます。逆に、下限管理限界の下にある点は、事象の発生率が上昇していることを示唆します。
これら2つの管理図は、ある事象が発生してから次に発生するまでの間隔をデータとして用いてるという点から、他の管理図との基本的な違いが1つあります。つまり、上側管理限界の上にある管理外の点は、事象の発生間隔が大幅に長くなっていることを示すため、通常、望ましい状態と考えられます。G管理図とT管理図では、事象間の間隔を表す指標が異なっています。G管理図は事象の個数、T管理図は間隔数を使用します。
表3.2
まれなイベントの管理図の種類
統計量
σ
分布
負の二項分布
G管理図
Weibull分布
T管理図