公開日: 04/01/2021

多重応答(複数回答)に対する検定の例

この例では、「Consumer Preferences.jmp」サンプルデータを使用します。このデータには、一般的な事柄に対する意見や態度、口腔衛生に関する質問が含まれています。それぞれの歯磨き時間帯(「歯磨き カンマ区切り」)に対する応答率が、「歯磨き」グループ間で同じであるかどうかを、[多重応答の検定]オプションを使って検定してみましょう。この「歯磨き」グループは、歯磨きを行う頻度で分類されているものです。

1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Consumer Preferences.jmp」を開きます。

2. 右方向にスクロールして「歯磨き カンマ区切り」列を表示します。

「Consumer Preferences」データテーブル 

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「歯磨き カンマ区切り」列には、多重応答(複数回答)のデータになっています。各応答は、それぞれカンマで区切られています。「歯磨き カンマ区切り」の前にある4つの列には、同じ情報が別のデータ形式で含まれています。それら4つの列では、各列(「起床後に歯磨き」「食後に歯磨き」・「就寝前に歯磨き」・「別のタイミングで歯磨き」)が、それぞれの応答に対応しています。そして、該当の応答が選択された場合は、列の値が1、それ以外の場合は0になっています。

3. [分析]>[消費者調査]>[カテゴリカル]を選択します。

4. [多重]タブを選択します。

5. 「歯磨き カンマ区切り」を選択し、[多重]タブの[多重応答 区切り文字]をクリックします。

ヒント: 「起床後に歯磨き」「食後に歯磨き」・「就寝前に歯磨き」・「別のタイミングで歯磨き」を選択し、[多重]タブの[指示変数]をクリックしても、同じ分析を行えます。

6. 「歯磨き」を選択し、[X, グループ化カテゴリ]をクリックします。

7. [OK]をクリックします。

8. 「カテゴリカル」の赤い三角ボタンをクリックして、[多重応答の検定]>[Poisson分布の度数検定]を選択します。

多重応答の検定、Poisson分布 

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p値を見ると、「After Meal(食後)」「Before Sleep(就寝前)」「Other(その他)」の応答率において、「歯磨き」グループ間で有意差があります。「Wake(起床後)」においては、有意差は見られません。クロス表を見ると、歯磨きの頻度とは関係なく、大半の人は起床後には歯磨きをしています。

9. 「カテゴリカル」の赤い三角ボタンをクリックし、[多重応答の検定]>[二項分布の等質性検定]を選択します。

二項分布に基づく多重応答の検定 

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[二項分布の等質性検定]オプションでは、[Poisson分布の度数検定]よりも、必ず検定統計量が大きくなります(つまり、p値が小さくなります)。[二項分布の等質性検定]は、応答が生じた回数(例えば、起床後に歯磨きをすると答えた人の数)だけを考慮するのではなく、応答が生じなかった回数(例えば、起床後に歯磨きをすると答えなかった人の数)も考慮します。

この例の検定結果を見ると、各応答(「After Meal(食後)」・「Before Sleep(就寝前)」・「Wake(起床後)」・「Other(その他)」)の割合は、歯磨き頻度のグループ間で異なっています。それらのp値は、0.05よりも小さくなっています。

ヒント: JMPは、「多重応答」の尺度または「多重応答」の列プロパティをもつ列を、多重応答の列として認識します。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).