ヒストグラムは、連続変数の分布を理解するのに最も役に立つグラフの一つです。ヒストグラムでは、次の情報を確認できます。
• 平均とばらつき
• 最小値や最大値
図4.2 ヒストグラムの例
列見出しにあるヒストグラムアイコンをクリックすると、その場でヒストグラムを確認することができます。ヒストグラムは、列見出しの下に表示されます。
図4.3 ヘッダのヒストグラム
この例では、企業数社の利益に関するデータを記録した「Companies.jmp」データテーブルを使用します。
証券アナリストは、次の点を調査する必要があります。
• 概ね、各企業の利益はどれくらいか
• 平均利益はどれくらいか
• 他社と比較して利益が極端に多いまたは少ない企業があるか
回答を導き出すには、「利益($M)」のヒストグラムを使用します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Companies.jmp」を開きます。
2. [分析]>[一変量の分布]を選択します。
3. 「利益($M)」を選択し、[Y, 列]をクリックします。
図4.4 「利益($M)」の「一変量の分布」ウィンドウ
4. [OK]をクリックします。
図4.5 「利益($M)」のヒストグラム
このヒストグラムから、次のことがわかります。
• 大半の企業の利益は-1000ドルから1500ドルの範囲に収まっている。
1つを除くすべての棒がこの範囲に収まっています。また、多くの企業の利益は、0ドルから500ドルの範囲に集中しています。この範囲を表す棒が、他の棒よりも長くなっています。
• 平均利益は500ドルより若干少ない程度である。
箱ひげ図のなかに表示されているひし形の中央が、平均を示します。この例では、平均は500ドルの目盛りの少し下になっています。
• 1社が他社と比べて著しく高い利益を上げており、外れ値である可能性が高い。外れ値とは、他のデータ点が示す一般的なパターンから飛び離れたデータ点のことです。
この例では、外れ値は、ヒストグラム上部の非常に短い1つの棒で示されています。この棒は短く、小さなグループ(この場合は1社)を表しており、ヒストグラムの他の棒から大きく離れています。
ヒストグラムの他に、このレポートには次の情報が表示されています。
• 箱ひげ図。同じデータを別の形でグラフィカルに示した要約プロットです。箱ひげ図の詳細については、『『グラフ機能』』の箱ひげ図を参照してください。
• 「分位点」レポートと「要約統計量」レポートこれらのレポートについては、「一変量の分布」による分析で説明します。
JMPのデータテーブルとレポートはすべてリンクしています。ヒストグラムの棒をクリックすると、データテーブル内の対応する行が選択されます。