VマスクCUSUM(累積和)管理図の例で使用したエンジンオイルのデータをもう一度見てみましょう。生産者にとってはコストが重要なので、過少な充填はさほど問題になりませんが、過剰充填は回避する必要があります。そこで、CUSUM管理図を作成し、過剰充填が生じていないかを調べます。平均値(8.1オンス)との差は0.25オンスまで許容されます。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Quality Control」フォルダにある「Oil1 Cusum.jmp」を開きます。
2. [分析]>[品質と工程]>[旧機能の管理図]>[CUSUM(累積和)]を選択します。
3. [両側]の選択を解除します。
4. 「重量」を選択し、[工程]をクリックします。
5. 「時間」を選択し、[標本ラベル]をクリックします。
6. [H]をクリックし、「0.25」と入力します。
7. [統計量の指定]をクリックします。
8. 「目標値」として「8.1」を入力します。
8.1は充填後の缶の平均重量(オンス)で、これを目標値とします。
9. 「δ」に「1」を入力します。
1は、検出したい最小のシフトの絶対値です。標準偏差または標準誤差の乗数で指定します。
10. 「Sigma」として「0.05」を入力します。
0.05は、すでに判明している充填重量(オンス)の標準偏差(σ0)です。
11. [OK]をクリックします。
図M.29 「Oil1 Cusum.jmp」データの片側CUSUM(累積和)管理図
入力したH値(0.25)の位置に決定限界が描かれています。「時間」の4の位置で過剰充填が生じていることがわかります。