JMPでステップワイズ回帰を実行するには、「モデルのあてはめ」プラットフォームの手法で、[ステップワイズ法]を選択します。ステップワイズ法の機能では、他の手法と同じように最小2乗法や最尤法でモデルを推定しますが、他の手法と異なりモデルの変数選択を行えます。
このアプローチには、留意しなければならない副作用があります。ステップワイズ法においては、予め決められた変数ではなく、取捨選択した変数に対して検定が行われます。そのため、検定の有意水準は通常の統計的仮定を満たしません。しかし、悪い面だけではなく、ステップワイズ法は過去30年にわたって使用され、項数を減らすのに貢献してきた実績があります。『Subset Selection in Regression』(Miller 1990)は、モデルの選択における統計的な意味を説明しています。
この章では、p値(p-value)という言葉を形式的な意味で使っています。その計算方法は、説明変数が固定されているモデルでは妥当なものですが、ステップワイズ回帰を行ったモデルから計算された「p値」は、真のp値からほど遠いものかもしれません。