時系列データとは、一定の時間間隔を置いて測定された観測値のセット(y1, y2, ...,yN)を指します。時系列データの例としては、四半期ごとの売上、月間平均気温、太陽黒点の数などが挙げられます。「時系列分析」プラットフォームを使えば、このようなデータに含まれるパターンやトレンドを調べることができます。その後、見つかったパターンやトレンドを利用して未来の時系列を予測します。
時系列データに共通する特性として、季節性、トレンド、自己相関が挙げられます。季節性とは、一定の期間に生じるパターンを指します。たとえば、1か月に1回記録するデータの場合、夏のデータはどの年度でも似ている可能性があります。トレンドは、時系列の長期的な動きを指します。時間の経過に伴う緩やかな値の増減などです。自己相関は、時系列内の各点と、時系列内の以前の値との間に見られる相関の度合いを示します。
「時系列分析」プラットフォームには、さまざまなモデルと予測手法が用意されています。ただし、そのすべてがトレンドや季節性を扱えるわけではありません。適切なモデルを選ぶためには、時系列がどのような特性を持っているかを特定する必要があります。「時系列分析」プラットフォームでは、バリオグラムや自己相関プロット、偏自己相関プロット、スペクトラル密度プロットなどを使って、時系列データの記述と予測に適したモデルの種類を特定できます。差分演算と分解の手法もいくつか用意されているため、データから季節性の変動や一般的な変動を取り除き、分析しやすい状態にできます。
また、より洗練されたモデルをあてはめて、季節性や長期的なトレンドを取り入れることも可能です。このような特徴を持つモデルとして、指数平滑化法の高度な形態であるWinter法の加法型モデルが挙げられます。さらにこのプラットフォームでは、ARIMAモデル(自己回帰和分移動平均モデル)をあてはめることができます。ARIMAモデルは、複雑なモデルである一方、最も柔軟なモデルだと言えます。高度な指数平滑加法とARIMAモデルは、どちらも解釈が難しいものの、予測ツールとして非常に優れています。
入力系列を指定すれば、伝達関数モデルをあてはめることも可能です。