「Ship Damage.jmp」サンプルデータは、McCullagh and Nelder(1989)のデータに変更を加えたものです。波が原因で貨物船の前部に生じた損傷をタイプ別に分類してあります。船体の建造を担当するエンジニアたちの目的は、3つの変数と損傷するリスクの関連を調べることでした。その3つの変数とは、貨物船の「タイプ」、「建造年度」、そして運行期間を表す「運行年度」です。
ここでは、オフセット変数として、運行月数を対数変換した変数である「運行月数」を使用します。オフセット変数は、モデルのなかで、パラメータの値を1.0に固定した説明変数として扱われます。このようなオフセット変数は、一般に、Poisson分布で対数をリンク関数とした場合、単位を揃えるために使用します。この例では、修理の回数は運行月数に比例すると予想されるので、運行月数を対数変換した変数を使います。
オフセットの使い方を確認するため、ここでは一般化線形モデルの線形成分がhだとします。リンク関数が対数の場合、運行年数の対数をオフセット変数として含めた、平均に対するモデル式は、次のようになります。
exp[Log(運行月数) + h] = [(運行月数) * exp(h)]
この例を実行するには、次の手順に従ってください。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Ship Damage.jmp」を開きます。
2. [分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
3. 「手法」リストから[一般化線形モデル]を選択します。
4. 「分布」リストから[Poisson]を選択します。
「リンク関数」リストでは、自動的に[対数]が選択されます。
5. 「数」を選択し、[Y]をクリックします。
6. 「運行月数」を選択し、[オフセット]をクリックします。
7. 「タイプ」、「建造年度」、「運行年度」を選択し、[追加]をクリックします。
8. [過分散に基づく検定と信頼区間]をオンにします。
9. [実行]をクリックします。
レポートを見ると、3つの効果(「タイプ」、「建造年度」、「運行年度」)はすべて有意です。
図12.7 オフセットを使ったPoisson回帰モデルのレポート(一部)