3Dシーンは、2通りの方法でレンダリングできます。Orthographic(平行投影,正射影)では、どの視点から見ても配置された要素には遠近感がありません。Perspective(透視投影)では、視点の位置と連動して遠近感が出るように表示が調整されます。たとえば、線路のような2本の平行線は、平行投影では平行線のままですが、透視投影では、遠くの1点で交わるように表示されます。
図13.4 平行投影の平行線(左)と透視投影(右)
別の例を考えてみましょう。望遠鏡のような筒を真上から見ているとします。平行投影では、筒は厚みのない円として描かれます。透視投影では、円に厚みがあります。つまり、筒の遠端の穴は近端の穴より小さく描かれ、筒の内部が見えます。
したがって、平行投影で表示される領域は直方体であり、透視投影で表示される領域は四角錐台(四角錘の頭部を平面で切り取ったもの)です。
図13.5 投影の比較
一般に、透視投影は、目やカメラで見る方法を模倣しているので、より現実に近い表示が行われます。平行投影は、建築用のCADプログラムなどのように寸法を保持する必要がある場合に役に立ちます。