これまで紹介してきた管理図では、工程変数に対する測定データを使っていました。工程変数に対する測定データは通常、連続量であるため、それらには連続量の理論に基づいた管理図を用います。もう1つのデータの種類は、度数データ(文字データの場合は水準ごとの個数)です。度数データの変数は、不適合品数や不適合数などの離散値を取ります。そのような離散値を取るデータには、2項分布やPoisson分布に基づく計数値管理図を使用します。度数はサブグループごとに測定されるため、複数の管理図を比較するときは、サブグループごとのアイテム数に大きな差がないことを確認する必要があります。計数値管理図は、計量値管理図と同じように、プロットする統計量によっていくつかの種類に分類されています。
シグマの計算に使用される分布 |
統計量: 割合 |
統計量: 度数 |
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二項 |
P管理図 |
NP管理図 |
Poisson |
U管理図 |
C管理図 |
管理図ビルダーは、選択した変数に基づいて自動的に管理図を作成します。基本の管理図が作成されたら、メニューから各種のオプションを選択し、管理図の種類、表示する統計量、図の表示形式を変更できます。
• P管理図は、各サブグループの不適合品率をプロットしたもので、標本サイズは必ずしも一定ではありません。P管理図では、各サブグループがNi個のアイテムから成り、各アイテムは適合か不適合かで判断されます。1サブグループにおける不適合品数は、Ni以下でなければいけません。
• NP管理図は、各サブグループの不適合品数をプロットします。NP管理図では、各サブグループがN個のアイテムから成り、各アイテムは適合か不適合かによって判断されます。サブグループにおける不適合品数は、すべてN以下でなければいけません。
• C管理図は、各サブグループの不適合数をプロットしたもので、各サブグループは通常、1つの検査単位から成ります。
• U管理図は、各サブグループの1ユニット(1つの検査単位)あたりの不適合数をプロットしたもので、各サブグループの検査単位数は必ずしも一定ではありません。