ここまでで説明したグラフでは、X変数を1つだけ指定しました。変動性図を使用すると、複数のX変数に対して、平均の差、および、ばらつき(変動性)を一度に確認できます。
図4.36 変動性図の例
この例では、ポップコーン製造業者から得たデータを記録した「Popcorn.jmp」データテーブルを使用します。コーンの種類、一回にポップする量、油の量の各組み合わせに対して、収率(同量のコーンから製造可能なポップコーンの量)が計測されています。
ポップコーン製造業者は、次の点を調査する必要があります。
• 各要因のどの組み合わせにおいて、ポップコーンの収率が高くなるか
回答を導き出すには、コーンの種類、一回にポップする量、油の量に対する収率の変動性図を使用します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Popcorn.jmp」を開きます。
2. [分析]>[品質と工程]>[計量値/計数値ゲージチャート]を選択します。
3. 「収率」を選択し、[Y, 目的変数]をクリックします。
4. 「コーンの種類」を選択し、[X, グループ変数]をクリックします。
5. 「一回にポップする量」を選択し、[X, グループ変数]をクリックします。
6. 「油の量」を選択し、[X, グループ変数]をクリックします。
注: [X, グループ変数]の役割に変数を割り当てる順序は重要です。このウィンドウで指定した順序によって、変動性図の入れ子の順序が決まります。
図4.37 「変動性図」ウィンドウ
7. [OK]をクリックします。
結果において、先頭のグラフは、3つの変数の組み合わせに対する収率を示す変動性図です。それに続く図は、3つの変数の組み合わせに対する標準偏差を示しています。2番目の図には収率が示されていないため、ここでは非表示にします。
8. 「計量値用ゲージ」の赤い三角ボタンをクリックし、メニューにある[標準偏差図]の選択を解除します。
図4.38 結果ウィンドウ
収率の変動性図は、グルメコーンを使用して、かつ、一回に少量ポップした場合、収率が高くなることを示しています。
さらに掘り下げて検討するには、一回にポップする量が少量だから収率が高いのか、それともグルメコーンだから収率が高いのかを確認する必要があるでしょう。
この変動性図から、次の情報が得られます。
• プレーンコーンを使用して、かつ、一回に少量ポップした場合、収率は低い。
• グルメコーンを使用して、かつ、一回に多量ポップした場合、収率は低い。
この情報を踏まえると、グルメコーンを一回に少量ポップした場合だけが高収率になると結論付けることができます。単一の変数しか扱えない図では、この結論に達するのは困難でしょう。