アプリケーションは、1つ、もしくは、複数のモジュールで構成されます。モジュールには、コンパイルして1つのアプリケーションとなるオブジェクトとスクリプトが含まれます。アプリケーションを実行すると、モジュールごとに1つのウィンドウが表示されます。あるウィンドウから、別のウィンドウを呼び出すこともできます。たとえば、あるウィンドウに、「グラフの作成」といったボタンを配置し、そのボタンをクリックすると新しいウィンドウにグラフが表示されるようにできます。
アプリケーションビルダーを使い始める前に、いくつかの用語に慣れておく必要があります。自動作成されたスクリプトを編集する必要はほとんどありませんが、これらの用語を知っておくと、モジュールの動作を理解するのに役立ちます。
アプリケーション
1つまたは複数のモジュールで構成された最上位のファイル。
モジュール
オブジェクト、メッセージ、インスタンスなどのJSLステートメントを集めた、アプリケーションの構成要素。
単純なアプリケーション
レポートだけで構成されていて、プログラミングを全く必要としないアプリケーションのこと。単純なアプリケーション、つまり「ダッシュボード」をダッシュボードビルダーで作成することもできます。ダッシュボードビルダーも、アプリケーションビルダーと同様にドラッグ&ドロップで操作できますが、構成済みのディスプレイボックスが用意されている点が異なります。
カスタムアプリケーション
自分の目的に沿った処理を、JSLスクリプトによって記述したアプリケーションのこと。
オブジェクトとメッセージ
オブジェクトとは、JMPの動的なエンティティで、たとえばデータテーブル、データ列、プラットフォーム結果ウィンドウ、グラフなどがこれに当たります。ほとんどのオブジェクトは、何らかのアクションを実行するメッセージを受け取ることができます。
メッセージとは、オブジェクトに送られる式のこと。オブジェクトは、送られたメッセージを評価し、何らかのアクションを実行します。
モジュールインスタンス
モジュールが出現したもの。複雑なアプリケーションの場合、起動時に動作するスクリプトによって、複数のモジュールインスタンスを生成するといったこともできます。
名前空間
変数名が衝突せず、一意に決められるように定義された変数のまとまり。
アプリケーションビルダーで作成されたアプリケーションでは、「Application」と「ModuleInstance」という名前空間が自動的に作成されます。Application名前空間内のシンボルは、アプリケーション内のスクリプトだけを範囲とし、アプリケーション外のスクリプトでは使用できません。名前空間の詳細については、高度な適用範囲指定と名前空間を参照してください。
変数
変数は、固有の名前をもち、何らかの値を含んでいます。アプリケーションビルダーで作成されたアプリケーションを実行すると、「thisApplication」と「thisModuleInstance」という変数が自動的に作成されます。
– thisApplication変数は、アプリケーションのオブジェクトへの参照を含みます。アプリケーションは、1つ、もしくは複数のモジュールで構成されています。
– thisModuleInstance変数(ModuleInstance名前空間で使用される)は、モジュールインスタンスのオブジェクトへの参照を含みます。モジュールは、ボックスやボタンなどで構成されています。
コンテナ
タブやアウトラインなどの、他のオブジェクトを含むことができるディスプレイボックスのこと。