ヒント: 「実験計画(DOE)」のスクリプトで使えるオプションの完全な一覧は、[ヘルプ]>[スクリプトの索引]を選択し、メニューから[オブジェクト]を選択して、「DOE」を検索してください。
実験計画の作業を再現するために、「実験計画(DOE)」のほとんどのプラットフォームでは、以下のアプローチを利用できます。
• 「実験計画(DOE)」ウィンドウの赤い三角ボタンのメニューにある[スクリプトをスクリプトウィンドウに保存]オプションを使用すると、入力した作業内容を再現するスクリプトが得られます。このオプションは、「非線形計画」および「タグチ配列」プラットフォームでは使用できません。
• 「実験計画(DOE)」のほとんどのプラットフォームによって作成された計画のデータテーブルでは、「DOEダイアログ」というスクリプトを使って、その計画のデータテーブルを作成した「実験計画(DOE)」ウィンドウでの作業を再現できます。このスクリプトには、計画を正確に再現するための乱数シード値(および、該当する場合は開始点の数)も含まれています。
「実験計画(DOE)」の多くのプラットフォームでは、作成された計画のデータテーブルに、適切な分析を実行するための1つまたは複数のスクリプトも含まれています。これらのスクリプトには、計画に適した設定があらかじめ入力されています。
「実験計画(DOE)」のプラットフォームを使用して計画を作成する際、JMPは乱数シード値によって、使われる乱数を決めます。乱数シート値では、以下のことを制御できます。
• 計画の生成のための検索アルゴリズムの初期化
• データテーブル作成時における実験順序のランダム化
• 最適計画を探索するときの初期計画の選択
スクリプトによって計画を再現するには、それらを生成する乱数シード値を指定する必要があります。ランダムな開始点を使用する計画の場合は、計画を作成する前にスクリプトで乱数シード値を設定しておく必要があります。
次の例は、乱数シード値を設定して、カスタム計画を作成しています。
DOE(
Custom Design,
Add Factor( Continuous, -1, 1, "X1", 0 ),
Add Factor( Continuous, -1, 1, "X2", 0 ),
Set Random Seed( 34067086 ),
Make Design
);
カスタム計画と主効果スクリーニング計画(「スクリーニング計画」プラットフォームで構築したもの)には、計画の検索に費やす最大秒数(計画の検索時間)を内部的に設けられています。この「計画の検索時間」のデフォルト設定は、計画の複雑さによって異なります。同じ乱数シード値を使って2つのカスタム計画または主効果スクリーニング計画を構築する場合でも、コンピュータの処理能力によっては異なる計画が作成されることがあります。
[スクリプトをスクリプトウィンドウに保存]オプションを使っていずれかの計画のスクリプトを保存する際、または「DOEダイアログ」スクリプトをデータテーブルに保存する際には、スクリプトによって乱数シード値と開始点の数が指定されます。「開始点の数」では、(検索時間内にて)計画を検索するのに、何回、異なった開始点から検索しだすかを設定します。[乱数シード値の設定]オプションと[開始点の数]オプションを組み合わせることにより、計画を再現できるようになります。
メモ: 独自のスクリプトを作成する場合は、スクリプト内でオプションを指定する順序が結果に影響することに注意してください。たとえば、計画を作成する前に、計画に関するオプションを指定する必要があります。特に乱数シード値を使って計画を構築する場合は、計画を生成する前に乱数シード値を設定してください。
以下に示すグローバル変数は、検索アルゴリズムの開始や調整に使用できます。
Starting Design
開始点の計画を指定できます。デフォルトでは開始点の計画はランダムに決められますが、次の指定により、開始点の計画が指定した行列に置き換えられます。
DOE Starting Design = matrix;
開始点の計画を指定した場合は、その計画だけから検索が開始されます。
K Exchange Value
座標交換アルゴリズムは、すべての反復における交換に対して、すべての行を考慮します。1回の反復で交換を考慮する行数を制限すれば、変更される可能性の高い少数の行だけが考慮されるようになります。次のスクリプトは、変更される可能性の高い3行だけを、検索アルゴリズムの各反復で考慮するようにします。
DOE K Exchange Value = 3;
Bayes Diagonal
X'X行列の対角要素に足すベクトルを定義します。対角要素に定数が足されたこの新しい行列は、D最適計画を見つけるのに使用されます。次の例は、vectorの要素をX‘X行列の対角要素に追加します。
Bayes Diagonal = vector: