「Reactor Half Fraction.jmp」サンプルデータテーブルは、Box et al.(1978)で取り上げられている計画から派生した実験の結果をまとめたものです。主効果と2因子間交互作用を含んだモデルをあてはめ、有意な効果を特定してみましょう。この例では、モデルのパラメータは15個、実験回数は16回です。「2水準スクリーニングのあてはめ」と「モデルのあてはめ」の両プラットフォームを使って分析を行います。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Reactor Half Fraction.jmp」を開きます。
2. [実験計画(DOE)]>[古典的な計画]>[2水準スクリーニング]>[2水準スクリーニングのあてはめ]を選択します。
3. 「反応率(%)」を選択し、[Y]をクリックします。
4. 「送り速度」から「濃度」までを選択して[X]をクリックし、[OK]をクリックします。
メモ: 「2水準スクリーニングのあてはめ」プラットフォームによって自動的に交互作用項を含むモデルが作成されます。一方、「モデルのあてはめ」プラットフォームでは、モデルに含める交互作用を自分で明示的に指定する必要があります。
図10.2 「Reactor Half Fraction.jmp」の「2水準スクリーニングのあてはめ」レポート
「スクリーニング」レポートには次のような機能があります。
– 個別p値が0.10未満の効果が選択されています。
– Lenthの擬似標準誤差(PSE; Pseudo-Standard Error)を使ってt値が計算されています。Lenthの擬似標準誤差の値は半正規プロットの下に表示されます。
– 個別p値と同時p値の両方が計算されています。0.05を下回る値にはアスタリスクがついています。
– 半正規プロットを見ると、効果をすばやく調べることができます。上側の表にて選択されている効果は、このプロットでもラベルつきで表示されます。
この例では、「触媒」・「温度」・「濃度」と、2因子間交互作用のうち2つが選択されています。同じモデルを「モデルのあてはめ」プラットフォームであてはめることもできます。
1. 「Reactor Half Fraction.jmp」データテーブルから[分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
2. 「反応率(%)」を選択し、[Y]をクリックします。
3. 「送り測度」から「濃度」までを選択し、[マクロ]>[設定された次数まで]をクリックします。
4. [実行]をクリックします。
5. 「パラメータ推定値」アウトラインを開きます。
図10.3 飽和計画である「Reactor Half Fraction.jmp」のパラメータ推定値
標本サイズが16、モデル項の数も16であるため、誤差の大きさ(誤差分散)を推定することはできません。誤差分散の推定値がなければ、標準的な検定を行うことができません。パラメータ推定値は計算されますが、誤差分散は推定できないので、パラメータ推定値の標準誤差、t値、p値は算出されません。「2水準スクリーニングのあてはめ」プラットフォームを使えば、このような飽和計画のデータからも最大限の情報を引き出し、因子をスクリーニングすることができます。