この例では、1980~1990年の月間最高気温(華氏)をまとめた「Raleigh Temps.jmp」データテーブルを分析します。「時系列分析」プラットフォームを使って時系列を調べ、今後2年間の月間最高気温を予測します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Time Series」フォルダにある「Raleigh Temps.jmp」を開きます。
2. [分析]>[発展的なモデル]>[時系列分析]を選択します。
3. 「気温」を選択し、[Y, 時系列]をクリックします。
4. 「月/年」を選択し、[X, 時間ID]をクリックします。
5. 「予測する期数」のボックスに「24」と入力します。
これは、データにあてはめたモデルを使って予測する未来の期間の数です。今後2年間の気温を予測したいので、24か月に設定します。
6. [OK]をクリックします。
図18.2 「Raleigh Temps.jmp」の時系列分析レポート
「時系列」グラフを見ると、時系列が周期的であることがわかります。この周期的な要素は自己相関プロットにも表れています。1ラグ離れている点は、正の相関があり、自己相関の値が0.8007です。点がさらに離れるにつれ、相関は負の相関になり、その後また正に転じます。このパターンが繰り返されています。「時系列」グラフと自己相関プロットに見られるこのようなパターンは、時系列に季節性がある証拠です。
7. 「時系列」の赤い三角ボタンをクリックし、[ARIMA]を選択します。
8. 時系列に自己相関の証拠があるため、「p,自己回帰次数」を「1」に設定します。
9. [推定]をクリックします。
10. 「時系列」の赤い三角ボタンをクリックし、[季節ARIMA]を選択します。
11. 時系列に自己相関の証拠があるため、「ARIMA」パネルで「p,自己回帰次数」を「1」に設定します。
12. 時系列に季節性の証拠があるため、「季節ARIMA」パネルで「D,差分の次数」を「1」に設定します。
13. [推定]をクリックします。
14. 「モデルの比較」表の「グラフ」列で、両方のモデルのボックスをオンにします。
図18.3 「Raleigh Temps.jmp」の「モデルの比較」表
「モデルの比較」表は、AICの値の降順に並べられています。つまり、レポートの一番上に表示されているモデルが最良のモデルです。季節ARIMAモデルのAICの値(693.4)は、通常のARIMAモデルの値(924.5)を大きく下回っています。グラフを見ると、季節性なしのARIMAモデルは観測されたデータ点をそれなりによく予測しているものの、残差が季節ARIMAモデルより大きくなっています。また、季節ARIMAモデルの方が、予測区間が狭くなっています。季節ARIMAモデルの方が、未来の観察値を精度よく予測できると考えられます。これらの結果は、この時系列データには季節的変動を示す証拠があることにも一致しています。