仮想結合した列を持つデータテーブルで行の属性が変更された場合、その行の属性を、リンクされている他のデータテーブルにも自動的に表示することができます。メインデータテーブルと補助データテーブルに被験者ID列があるとしましょう。被験者ID列に「リンクID」列プロパティが含まれているデータテーブルで、行属性が変更されると、仮想結合した「リンク参照」列を含むデータテーブルでも、それらの行属性が更新されるように指定できます。「リンク参照」列プロパティで、行属性をその他のデータテーブルに送信する(参照先に行属性を送る)か、行属性を受け入れる(参照先の行属性を受け入れる)かを指定することができます。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Nic Demographics.jmp」、「Nic Labs.jmp」、「Nic Adverse Events.jmp」を開きます。
2. 「Nic Labs.jmp」を見てみましょう。
「列」リストを見ると、「被験者ID」の隣に青色の仮想結合アイコン()が表示されています。青色のアイコンは、列に「リンク参照」列プロパティがあり、参照先データテーブル(「Nic Demographics.jmp」)が開いていることを表しています。「リンク参照」列プロパティは、現在のデータテーブル内の「被験者ID」列を参照先データテーブル内の「被験者ID」列とリンクします。アイコンがグレー()で表示される場合、参照先データテーブルが開いていないか、列が正しくリンクされていない可能性があります。
「Nic Adverse Events.jmp」も同様に設定されています。
図6.39 「被験者ID」の「リンク参照」列プロパティ
3. 「Nic Labs.jmp」で、「被験者ID」列を選択し、[列]>[列情報]を選択します。
4. 「リンク参照」列プロパティを選択します。
[参照先の行属性を受け入れる]が選択されていることに注目してください。これは、参照先データテーブル(「Nic Demographics.jmp」)の行に行の属性がある場合、その行の属性が現在のデータテーブルにも自動的に表示されることを意味します。
また、[選択]、[除外する]、[非表示]の行の属性が選択されていることにも注目してください。これらの行の属性が「Nic Demographics.jmp」で設定されると、同じ属性が「Nic Lib.jmp」と「Nic Adverse Events.jmp」にも反映されます。
5. 「Nic Demographics.jmp」で最初の行を右クリックし、[非表示かつ除外]を選択します。
最初の行の「被験者ID」は、値が101001です。
6. 「Nic Labs.jmp」でも、「被験者ID」が101001である行が非表示になり、除外されていることを確認できます。
注意:
• 複数の列、複数のテーブルの行属性を送ると、動きが複雑になる場合があるため、慎重に行う必要があります。
• 行属性を送ることが最も適しているのは、ID値が一意である場合です。リンク参照列が色の行属性を送る場合に、ID値が同じで、かつ異なる色の行属性を持つ行が複数個存在すると、問題が発生します。たとえば、データテーブルにID値が001である行が2つあるとします。1つの行は赤で、もう1つの行は緑です。この場合、JMPは、リンクされているデータテーブルの行属性をどのように設定すればよいのかを知るすべがありません。
メモ:
• テーブルAの複数の列がテーブルBにリンクしていることがあります。さらに、テーブルB自体に、テーブルCとリンクしている列が複数あることもあります。リンクした列があるデータテーブル内に、すべての行の行の属性が表示されます。たとえば、行1がテーブルAで除外されていて、テーブルBで非表示になっている場合、メインデータテーブルではその行が除外され、非表示になります。
• データテーブルが特定の行の属性を受け入れている場合は、データテーブル内でその行の属性を手動で適用しないようにしてください。送信側の列による制御に介入することになるためです。