[逆推定]タブでは、指定された値にY変数が達するときの時間を予測できます。この予測された時間は、疑似故障時間(pseudo failure time)と呼ばれることがあります。
図7.13 [逆推定]タブ
逆推定を行うには、「下側仕様限界」または「上側仕様限界」に値を入力します。一般に、Y変数が時間経過に伴って減少する場合は、下側仕様限界を入力します。Y変数が増加する場合は、上側仕様限界を入力します。
「GaAs Laser」サンプルデータを使用した例では、「上側仕様限界」に「10」と入力し、[実行]をクリックしてください。そうするとユニットの電流上昇が10%になる時間を逆推定したプロットが作成されます。
図7.14 「逆推定」プロット
「逆推定」の赤い三角ボタンをクリックすると、次のようなオプションが表示されます。
交差時間の保存
疑似故障時間を新しいデータテーブルに保存します。このテーブルには、「寿命の一変量」または「寿命の二変量」スクリプトが含まれています。このスクリプトを用いて、疑似故障時間に確率分布をあてはめることができます。[逆推定 区間]でどちらかの区間を選択した場合は、その区間もテーブルに含まれます。
上側仕様限界の設定
上側仕様限界を設定します。
下側仕様限界の設定
下側仕様限界を設定します。
打ち切り時間の設定
打ち切り時間を設定します。プロットが更新されて、打ち切り時間が縦の点線で描かれます。[逆推定 区間]>[区間なし]を選択した場合、打ち切り時間を超えた観測値は、打ち切り時間から開始される横線で描かれます。[信頼区間]または[予測区間]を選択した場合、上側信頼限界が打ち切り時間を超えたときには、横線が描かれます。設定された打ち切り時間は、[交差時間の保存]と[疑似故障データの生成]を使って作成されたデータテーブルにも反映されます。
データによる補間の使用
あてはめたモデルではなく、線形補間によって点間を補間して、各ユニットが仕様限界と交差する時間を予測します。線形補間の方法は、ユニットの最後の観測値が仕様限界を超えているかどうかによって異なります。
– 仕様限界を超える観測値があるユニットに対しては、仕様限界を挟んでいる観測値を用いて、線形補間により逆推定値を求めます。
– 仕様限界を超える観測値がないユニットに対しては、逆推定値を右側打ち切りとします。「そのユニットは、最終時間において、仕様限界に達していない」という情報だけを使います。
逆推定 区間
逆推定プロットに疑似故障時間の信頼区間または予測区間を表示するかどうかを指定します。どちらかの区間を選択すると、その区間が[交差時間の保存]オプションで作成されるデータテーブルにも保存されます。
逆推定 有意水準
区間に使用する有意水準を指定します。
逆推定 方向
片側または両側の区間を指定します。