公開日: 11/25/2021

メディアンランク回帰に関する注意点

打ち切りデータを含む行がなく、重み列もない場合は、「寿命の一変量」プラットフォームでWeibullパラメータ推定値をメディアンランク回帰(MRR;Median Rank Regression)によって求めることもできます。「寿命の一変量」レポートにてMRRによってWeibull分布の推定値を求めるには、以下の条件が満たされていなければなりません。

「寿命の一変量」プラットフォームの環境設定で、「非打ち切りデータのWeibull分布でMRR推定値も求める」が選択されている。

分析対象のデータに、打ち切りデータが含まれていない。つまり、すべての観測値が故障時間を表している。

重み列が指定されていない。

上記の条件がすべて満たされている場合、「パラメトリック推定値 - Weibull」レポートに、通常の最尤法(MLE)に加えてMRRの推定値も表示されます。「パラメータ推定値」表の列の見出しには、各列の推定値がどちらの推定法で計算されたかを示す接頭辞(MLEまたはMRR)が付きます。MRR推定値に対しては、信頼区間は計算されません。

注意: MRR法による推定は、推奨されません。MRR法では、最尤法ではなく最小2乗法による推定が行われます。打ち切りのあるデータに最小2乗法を適用することは、一般的に受け入れられていません。また、Genschel and Meeker(2010)は、MLE手法の方がより正確であることを実証しています。同論文では真の値が既知であることを前提にシミュレーションを行っています。実用上において、MRRの推定精度が良いかどうかは知られていません。MRRは、厳密な定義がないアドホックな推定方法です。ソフトウェアパッケージが異なると、同じデータであってもMRR推定値は異なるかもしれません。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).