公開日: 11/25/2021

パス変数

パス変数は、ディレクトリやファイルへのショートカットです。ディレクトリやファイルへのパス全体を入力する代わりに、スクリプト内でパス変数を使用できます。パス変数は特殊な文字列であり、常に二重引用符で囲んで使用します。

JMPで広く使用される定義済みのパス変数の1つに$SAMPLE_DATAがあります。この変数はJMPまたはJMP Proインストールフォルダ内のサンプルデータのフォルダを指します。次の例は、「Big Class.jmp」サンプルデータテーブルを開きます。

Open( "$SAMPLE_DATA/Big Class.jmp" );

JMPではいくつかのパス変数が定義済みです。次の表は、現在のJMPバージョンの定義をまとめたものです。旧バージョンのJMPの変数はこれとは異なる場合があります。

表6.1 パス変数の定義

変数

Path

ADDIN_HOME(com.your.addin.id)

指定されたアドインが保存されているフォルダを定義します。

アドインビルダーは、指定されたアドインを、オペレーティングシステムの種類に基づいて次のフォルダに保存します。

Windows: "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\SAS\JMP\Addins\"

macOS: "/Users/<ユーザ名>/Library/Application Support/JMP/Addins/"

たとえば、Convert File Path( "$ADDIN_HOME(com.your.addin.id)は、結果がcom.your.addin.idアドインの場所になります。

アドインを共有ネットワークにインストールするには、Register Addin()関数を使用します。JSLを使ったアドインの登録を参照してください。

ALL_HOME

マシン上のすべてのユーザがアクセスできるフォルダを定義します。

Windows (JMP): "C:¥ProgramData¥SAS¥JMP¥16¥"

Windows (JMP Pro): "C:¥ProgramData¥SAS¥JMPPro¥16¥"

macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/"

ディレクトリが存在するかどうかを確認するには、Is Directory("$ALL_HOME");スクリプトを実行します。フォルダが存在する場合は、1が戻されます。

BUILTIN_SCRIPTS

Windows (JMP): "C:¥Program Files¥SAS¥JMP¥16¥Resources¥Builtins¥"

Windows (JMP Pro):
"C:¥Program Files¥SAS¥JMPPRO¥16¥Resources¥Builtins¥"

macOS: "/Applications/JMP 16.app/Contents/Resources/Builtins/"

DESKTOP

Windows: "C:¥Users¥<ユーザ名>¥Desktop¥"

macOS "/Users/<ユーザ名>/Desktop/"

DOCUMENTS

Windows: "C:¥Users¥<ユーザ名>¥Documents¥"

macOS: "/Users/<ユーザ名>/Documents/"

DOWNLOADS

Windows: "C:¥Users¥<ユーザ名>¥Downloads¥"

macOS: "/Users/<ユーザ名>/Downloads/"

GENOMICS_HOME

"¥<JMP Genomicsのインストールディレクトリ>¥"

HOME

Windows (JMP):
"C:¥Users¥<ユーザ名>¥AppData¥Roaming¥SAS¥JMP¥16¥"

Windows (JMP Pro):
"C:¥Users¥<ユーザ名>¥AppData¥Roaming¥SAS¥JMPPro¥16¥"

macOS: "/Users/<ユーザ名>/"

JMP_HOME

Windows: C:¥<JMPインストールディレクトリ>

macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/JMP.app/Contents/Resources/AddIns/

メモ: macOSパスは、アドインがインストールされている場合にのみ存在します。

SAMPLE_APPS

Windows: C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Apps¥"

macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Apps/"

SAMPLE_DASHBOARDS

Windows: C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Dashboards¥"

macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Dashboards/"

SAMPLE_DATA

Windows: "C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Data¥"

macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Data/"

SAMPLE_IMAGES

Windows: "C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Images¥"

macOS "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Images/"

SAMPLE_IMPORT_DATA

Windows: "C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Import Data¥"

macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Import Data/"

SAMPLE_PROJECTS

Windows: "C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Projects¥"

macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Projects/"

SAMPLE_SCRIPTS

Windows: "C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Scripts¥"

macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Scripts/"

TEMP

Windows: "C:¥Users¥<ユーザ名>¥AppData¥Local¥Temp¥"

macOS: "var/folders/..."

USER_APPDATA

JMP環境設定やメニュー、ホームウィンドウに加えた変更、およびデバッガセッションの設定がここに保存されます。

Windows (JMP):
"C:¥Users¥<ユーザ名>¥AppData¥Roaming¥SAS¥JMP¥16¥"

Windows (JMP Pro):
"C:¥Users¥<ユーザ名>¥AppData¥Roaming¥SAS¥JMPPro¥16¥"

macOS: "/Users/<ユーザ名>/Library/Application Support/JMP/16/"

パス変数の定義は、使用しているJMPのバージョンに応じたものとなります。たとえば、JMP 14で作成されたスクリプトであっても、JMP 16で実行した場合は、JMP 16におけるパス変数の定義が使用されます。

パス変数の定義を確認するには、Get Path Variable関数を使用します。

Get Path Variable( "HOME" );

"/C:/Users/<ユーザ名>/AppData/Roaming/SAS/JMP/16/"

Set Path Variable()またはGet Path Variable()にはドル記号は指定しません。ただし、スクリプト内で変数を使用する際には、ドル記号を指定する必要があります。

末尾のスラッシュ

パス変数の最後に必ずスラッシュ(または\)を付けてください。次の例では、dtName変数に"Big Class"というルート名が割り当てられています。Open()式は、$SAMPLE_DATAと末尾のスラッシュを評価し、dtNameの値とファイル拡張子の.jmpを付加します。

dtName = "Big Class";
dt = Open( "$SAMPLE_DATA/" || dtName || ".jmp" );

このパスは、次のように解釈されます。

C:¥Program Files¥SAS¥JMP¥16¥Samples¥Data¥Big Class.jmp

$SAMPLE_DATAの後にスラッシュがない場合、パスは次のように解釈されます。

C:¥Program Files¥SAS¥JMP¥16¥Samples¥DataBig Class.jmp
より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).