パス変数は、ディレクトリやファイルへのショートカットです。ディレクトリやファイルへのパス全体を入力する代わりに、スクリプト内でパス変数を使用できます。パス変数は特殊な文字列であり、常に二重引用符で囲んで使用します。
JMPで広く使用される定義済みのパス変数の1つに$SAMPLE_DATAがあります。この変数はJMPまたはJMP Proインストールフォルダ内のサンプルデータのフォルダを指します。次の例は、「Big Class.jmp」サンプルデータテーブルを開きます。
Open( "$SAMPLE_DATA/Big Class.jmp" );
JMPではいくつかのパス変数が定義済みです。次の表は、現在のJMPバージョンの定義をまとめたものです。旧バージョンのJMPの変数はこれとは異なる場合があります。
変数 |
Path |
---|---|
ADDIN_HOME(com.your.addin.id) 指定されたアドインが保存されているフォルダを定義します。 |
アドインビルダーは、指定されたアドインを、オペレーティングシステムの種類に基づいて次のフォルダに保存します。 • Windows: "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\SAS\JMP\Addins\" • macOS: "/Users/<ユーザ名>/Library/Application Support/JMP/Addins/" たとえば、Convert File Path( "$ADDIN_HOME(com.your.addin.id)は、結果がcom.your.addin.idアドインの場所になります。 アドインを共有ネットワークにインストールするには、Register Addin()関数を使用します。JSLを使ったアドインの登録を参照してください。 |
ALL_HOME マシン上のすべてのユーザがアクセスできるフォルダを定義します。 |
• Windows (JMP): "C:¥ProgramData¥SAS¥JMP¥16¥" • Windows (JMP Pro): "C:¥ProgramData¥SAS¥JMPPro¥16¥" • macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/" ディレクトリが存在するかどうかを確認するには、Is Directory("$ALL_HOME");スクリプトを実行します。フォルダが存在する場合は、1が戻されます。 |
BUILTIN_SCRIPTS |
• Windows (JMP): "C:¥Program Files¥SAS¥JMP¥16¥Resources¥Builtins¥" • Windows (JMP Pro): • macOS: "/Applications/JMP 16.app/Contents/Resources/Builtins/" |
DESKTOP |
• Windows: "C:¥Users¥<ユーザ名>¥Desktop¥" • macOS "/Users/<ユーザ名>/Desktop/" |
DOCUMENTS |
• Windows: "C:¥Users¥<ユーザ名>¥Documents¥" • macOS: "/Users/<ユーザ名>/Documents/" |
DOWNLOADS |
• Windows: "C:¥Users¥<ユーザ名>¥Downloads¥" • macOS: "/Users/<ユーザ名>/Downloads/" |
GENOMICS_HOME |
"¥<JMP Genomicsのインストールディレクトリ>¥" |
HOME |
• Windows (JMP): • Windows (JMP Pro): • macOS: "/Users/<ユーザ名>/" |
JMP_HOME |
• Windows: C:¥<JMPインストールディレクトリ> • macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/JMP.app/Contents/Resources/AddIns/ メモ: macOSパスは、アドインがインストールされている場合にのみ存在します。 |
SAMPLE_APPS |
• Windows: C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Apps¥" • macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Apps/" |
SAMPLE_DASHBOARDS |
• Windows: C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Dashboards¥" • macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Dashboards/" |
SAMPLE_DATA |
• Windows: "C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Data¥" • macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Data/" |
SAMPLE_IMAGES |
• Windows: "C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Images¥" • macOS "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Images/" |
SAMPLE_IMPORT_DATA |
• Windows: "C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Import Data¥" • macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Import Data/" |
SAMPLE_PROJECTS |
• Windows: "C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Projects¥" • macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Projects/" |
SAMPLE_SCRIPTS |
• Windows: "C:¥<JMPインストールディレクトリ>¥Samples¥Scripts¥" • macOS: "/Library/Application Support/JMP/16/Samples/Scripts/" |
TEMP |
• Windows: "C:¥Users¥<ユーザ名>¥AppData¥Local¥Temp¥" • macOS: "var/folders/..." |
USER_APPDATA JMP環境設定やメニュー、ホームウィンドウに加えた変更、およびデバッガセッションの設定がここに保存されます。 |
• Windows (JMP): • Windows (JMP Pro): • macOS: "/Users/<ユーザ名>/Library/Application Support/JMP/16/" |
パス変数の定義は、使用しているJMPのバージョンに応じたものとなります。たとえば、JMP 14で作成されたスクリプトであっても、JMP 16で実行した場合は、JMP 16におけるパス変数の定義が使用されます。
パス変数の定義を確認するには、Get Path Variable関数を使用します。
Get Path Variable( "HOME" );
"/C:/Users/<ユーザ名>/AppData/Roaming/SAS/JMP/16/"
Set Path Variable()またはGet Path Variable()にはドル記号は指定しません。ただし、スクリプト内で変数を使用する際には、ドル記号を指定する必要があります。
パス変数の最後に必ずスラッシュ(または\)を付けてください。次の例では、dtName変数に"Big Class"というルート名が割り当てられています。Open()式は、$SAMPLE_DATAと末尾のスラッシュを評価し、dtNameの値とファイル拡張子の.jmpを付加します。
dtName = "Big Class";
dt = Open( "$SAMPLE_DATA/" || dtName || ".jmp" );
このパスは、次のように解釈されます。
C:¥Program Files¥SAS¥JMP¥16¥Samples¥Data¥Big Class.jmp
$SAMPLE_DATAの後にスラッシュがない場合、パスは次のように解釈されます。
C:¥Program Files¥SAS¥JMP¥16¥Samples¥DataBig Class.jmp