公開日: 11/25/2021

空間的な指標

[空間的な指標の計算]オプションを使用するには、データは積み重ねたデータでなければならず、また、座標(X座標とY座標)が含まれている2つの列を[属性のID]に指定する必要があります。いくつかの空間的な指標は、ハフ変換(Hough transform)を用いて計算されます。White et al.(2008)およびBallard(1981)を参照してください。空間的な指標でウエハーの不適合をクラスタリングする例を参照してください。

「空間的な指標の選択」ウィンドウ

起動ウィンドウにおいて次の設定をした後に[OK]ボタンをクリックすると、「空間的な指標の選択」ウィンドウが呼び出されます。

データ形式として[積み重ねたデータ]を選択する

X座標とY座標が含まれている2つの列を、[属性のID]に指定する

[対象のID]列を1つ指定する

[空間的な指標の計算]チェックボックスにチェックする

「空間的な指標の選択」ウィンドウでは、クラスター分析に使用する空間的な指標とその重みを選択します。これらの指標は、クラスター分析で使用する変数を生成するために使用されます。空間的な指標を計算すると、対象ごとに1行にまとめた新しいデータテーブルが開きます。このデータテーブルには、各対象について計算された空間的な指標が含まれます。

変数

どの変数や指標を、クラスター分析で使用するかを選択します。これらの変数は、空間的な指標と応答Yを使って生成されます。

属性

これはY変数の値そのものです。各位置(2つの「属性のID」変数で定義されている位置)でのY変数の値です。

扇形の角度

扇形や半球形に分布していることを示す指標です。

円の半径

円状(ドーナッツ状)に分布していることを示す指標です。

筋の角度

同じ角度である筋(直線)を表す指標です

筋の位置

同じ距離である筋(直線)を表す指標です。

ショット内での位置

ショット内のダイの位置に基づく変数です。この変数は、ShotPos[vShotSize, hShotSize]という形式で表されます(ここで、vShotSize、hShotSizeはそれぞれショットの縦サイズ、横サイズです)。

ショット

領域をいくつかの四角形に分けたときに、特定の四角形に分布していることを示す指標です。計算に用いる四角形の横と縦の長さを指定してください。「ショット」という用語は、半導体ウエハーで使用されているものです。「ショット」は、複数のダイを含む矩形領域を意味します。

「ショットの横サイズ」と「ショットの縦サイズ」に値を入力してください。横サイズを4、縦サイズを5にすると、1つのショットに20個のダイが含まれることを意味します。一方、ショットの総数は次のように計算されます。

floor[(hSize+hShotSize-1)/hShotSize]* floor[(vSize+vShotSize-1)/vShotSize]

ここで、hSizeはウエハーの横サイズ、vSizeはvSizeは縦サイズです。また、hShotSizeは「ショットの横サイズ」、vShotSizeは「ショットの縦サイズ」です。

メモ: ショット指標の変数名は、Shot[vert, horiz]のように付けられます。ここで、vertは垂直方向におけるダイの位置、horizは水平方向におけるダイの位置です。

個数

指定された指標の個数です。指定された個数の指標がクラスター分析に使われます。

重み

クラスター分析に使用される各指標にどれだけの重みを与えるかを決めるもの。

空間的な指標のレポート

以上のような設定をした後に「空間的な指標の選択」ウィンドウで[OK]をクリックすると、レポートとデータテーブルが表示されます。

「階層型クラスター分析」レポート

積み重ねたデータを使い、2つの「属性のID」列を指定して分析を行った場合、[クラスターの要約]を選択すると、マップ(ウェハーマップ)も描かれます。このマップは、「属性のID」列で定義された各座標でのクラスター平均を描いたものですです。これらのマップでは、「青->グレー->赤」のカラーグラデーションで、分位点をもとに色を付けています。分位点を色付けに用いるのは、外れ値による影響を軽減するためです。

空間的な指標のデータテーブル

新たに作成される空間的な指標のデータテーブルには、「対象のID」の一意な組み合わせごとに1つの行で構成されています。データの各セルには、「青->グレー->赤」のカラーグラデーションが使われています。このデータテーブルには以下の列があります。

Object(対象)

2つの「属性のID」変数によって定義されたX座標とY座標での応答値を示したヒートマップ。列のタイプは、「式」となっています。

Hough(ハフ)

ハフ空間のヒートマップ。列のタイプは、「式」となっています。White et al.(2008)を参照してください。

空間的な指標

空間的な指標ごとに1列ずつ作成されます。それぞれの列に計算された空間的な指標が含まれています。セルは値によって色分けされます。

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