この例では、あるデバイスの電力減少を分析します。データに対して、加速反復測定劣化モデルをあてはめます。デバイスは、3つの温度設定のいずれかに割り当てて、電力劣化を加速させました。通常動作温度80℃で15年(約13万時間)使用した場合に故障するデバイスの割合を推定するとします。この例は、Meeker et al.(2022, ch. 21)で解説されている例を元にしています。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Reliability」フォルダにある「Device B.jmp」を開きます。
2. [分析]>[信頼性/反復測定劣化]>[反復測定劣化]を選択します。
3. 「電力低下」を選択し、[Y, 目的変数]をクリックします。
4. 「時間」を選択し、[時間]をクリックします。
5. 「摂氏温度」を選択し、[X]をクリックします。
この試験では温度が、加速因子です。
6. 「デバイス」を選択し、[ラベル, システムID]をクリックします。
7. 「正常とみなす下限」の入力フィールドに、「-0.5」と入力します。
8. 「使用条件」の入力フィールドに「80」と入力します。
通常動作温度が80℃であることを意味します。
9. [OK]をクリックします。
10. 「経路の定義」パネルで、7番目のモデルを選択します。
図8.12 選択されている「経路の定義」モデル
11. 温度の単位として「摂氏」を選択します。
12. [OK]をクリックします。
13. 195は3つのテスト温度の真ん中なので、基準温度として195のままにしてください。
14. [OK]をクリックします。
プロットの曲線は、選択されたモデルに一致するように更新されます。
図8.13 初期モデルの指定
図8.14 初期モデルのプロット
15. [Bayes推定の設定に移動]をクリックします。
16. [モデルのあてはめ]をクリックします。
図8.15 事後推定値と診断統計量
「事後推定値」レポートには、MCMC法の結果が表示されます。表の右側にあるボタンを使用すると、データテーブルのすべてのMCMC標本を表示することができます。「診断」レポートには、元のデータ値と、あてはめたモデルの曲線が表示されます。
17. 故障分布プロファイルで、「時間」に「130000」と入力します。
図8.16 故障分布プロファイル
「故障分布プロファイル」を見ると、使用条件が80℃の場合、13万時間での推定故障率は約0.16、95%信用区間は0.004~0.732となっています。