Bayes流のD-最適化基準は、情報量行列の行列式の対数の、事前分布に関する期待値です。ここで、この情報量行列は、多項ロジットモデルにおいて最尤法で求めたパラメータ推定値に関する行列です。「選択モデル計画」プラットフォームでは、指定された事前分布から生成されたパラメータベクトルの標本に基づいて、この期待値を求め、それを最大化します。Kessels et al.(2011)を参照してください。
部分プロファイルを含む計画では、以下の2段階のアルゴリズムを使用します。
1. 選択肢集合の中で固定させる属性を、ある種の属性釣合い法(an attribute balance approach)で決めます。
2. 変化させる属性の水準を、Bayes流のD-最適化によって決定します。
ここで「属性釣合い法」とは、各属性が固定される回数が、計画全体を通して互いに等しくなるようにするアルゴリズムです。2つ以上の属性を固定する場合は、その属性ペアの出現回数が等しくなるようにします。
変化させる属性の水準は、Bayes流のD-最適化基準を最適化することによって求めます。まず、開始点となる初期計画を無作為に決めます。次に、座標交換アルゴリズムを使って、変化させる属性の水準を生成し、Bayes流のD-最適化基準が最適化されるまで、評価を繰り返します。この計算の過程で、事前分布(多変量正規分布)に関する積分を行う必要がありますが、その求積法についてはGotwalt et al.(2009)を参照してください。
メモ: Bayes流のD-最適化基準を使用すると、水準を変化すべき属性においても、選択肢集合の中で同じ水準になることがあります。このような状況が発生するのは、属性の水準を変化させると、選択肢集合に含まれるプロファイルの確率がすべて非常に高いかまたは低くなるという、意味のない選択肢集合になってしまうような場合です。