この例では、工程の2sシフトを検出するとします。ここで扱うデータ例は、2サイクルエンジンのオイル用添加剤を8オンスずつ缶に充填する機械から測定されたものです。充填の工程は統計的管理状態にあると考えられています。工程は、充填された缶全体の平均重量(m0)が8.10オンスになるように調整されています。前回の分析から、充填重量の標準偏差(s0)が0.05オンスであることがわかっています。
サブグループとして4缶を標本抽出し、重量を計測する作業を、1時間に1回、12時間にわたって行いました。データテーブルの各行は、「重量」の測定値と、それが測定された「時間」です。データは、「時間」の昇順で並べられています。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Quality Control」フォルダにある「Oil1 Cusum.jmp」を開きます。
2. [分析]>[品質と工程]>[管理図]>[CUSUM(累積和)管理図]を選択します。
3. 「重量」を選択し、[Y]をクリックします。
4. 「時間」を選択し、[X]をクリックします。
5. [OK]をクリックします。
6. 「目標値」ボックスに「8.1」と入力します。
これは、工程の目標平均値です。
7. 「Sigma」ボックスに「0.05」と入力します。
これは、工程変数の既知である標準偏差です。
8. 「h」ボックスに「2」と入力します。
これにより、上側および下側に対して、標準偏差の2倍が決定限界として定義されます。
図10.7 CUSUM管理図
CUSUM管理図を見ると、上側決定限界や下側決定限界の外側にある点はありません。つまり、工程でシフトが発生したという証拠はありません。
メモ: Montgomery(2013)は、「CUSUM管理図においては、かなりの「規模の経済性」(economy of scale)があるか、またはその他の妥当な理由がある場合だけ、2以上のサイズのサブグループを用いるべき」と述べています。表形式CUSUM管理図で合理的なサブグループを使用しても、管理図による検出力が改善されるとは限りません。