この例では、「非線形回帰」プラットフォームで単純な生存時間分布をあてはめる例を紹介します。
「非線形回帰」プラットフォームを使用して、指数分布・Weibull分布、極値分布の損失関数を故障時間データにあてはめることができます。この例のデータは、70台のディーゼルファンを対象に、累積合計30万時間のサービスをまとめたものです。ファンはさまざまな時間で稼働しています。そして、ファンが故障した時間か、観察を打ち切った時間が測定されています。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Reliability」フォルダにある「Fan.jmp」を開きます。
ヒント: 損失関数の計算式を表示するには、「Fan.jmp」データテーブルで、「指数損失関数」、「Weibull損失関数」、「極値損失関数」の各列を右クリックし、[計算式]を選択します。
2. [分析]>[発展的なモデル]>[非線形回帰]を選択します。
3. 「指数損失関数」を選択し、[損失]をクリックします。
4. [OK]をクリックします。
5. [損失は負の対数尤度]チェックボックスがオンになっていることを確認します。
6. [実行]をクリックします。
7. [信頼限界]をクリックします。
8. 上記の手順を、「指数損失関数」の代わりに「Weibull損失関数」と「極値損失関数」を選択して繰り返します。
図15.28 非線形回帰のあてはめ結果
対数正規分布は、データの誤差が指数的に分布している場合に適しています。対数正規損失関数は、パラメータの初期値に大きく左右されます。対数正規分布は対数変換すれば正規分布なので、「時間」の自然対数である新しい変数を作成し、「一変量の分布」プラットフォームでその列の平均と標準偏差を求めます。次に、それらの値を「非線形回帰」プラットフォームで初期値として使います。この例では、「時間」の自然対数の平均は4.72で、標準偏差は0.35です。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Reliability」フォルダにある「Locomotive.jmp」を開きます。
ヒント: 損失関数の計算式を表示するには、「Locomotive.jmp」データテーブルで、「対数正規損失関数」列を右クリックして[計算式]を選択します。
2. [分析]>[発展的なモデル]>[非線形回帰]を選択します。
3. 「対数正規損失関数」を選択し、[損失]をクリックします。
4. [OK]をクリックします。
5. 「Mu」の横のボックスに「4.72」と入力します。
6. 「Sigma」の横のボックスに「0.35」と入力します。
7. [実行]をクリックします。
8. [信頼限界]をクリックします。
図15.29 「解」レポート
対数正規分布のパラメータの最尤推定値は、「Mu」が5.11692で、「Sigma」が0.7055です。対数正規分布のメディアンの推定値は、5.11692を指数変換した値である(e5.11692)で、およそ167です。これが機関車のエンジンの標準的な寿命ということになります。