「一元配置」プラットフォームの[平均/ANOVA]オプションは、分散分析を行います。X変数の水準数が2水準の場合、このオプションは[平均/ANOVA/プーリングしたt検定]という名前で表示されます。レポートは、「あてはめの要約」、「分散分析」(ANOVA)、各グループの要約統計量の表で構成されています。X変数の水準数が2水準の場合、プーリングしたt検定の表が含まれます。起動ウィンドウでブロック変数を指定し、ブロックとX変数の水準の各組み合わせに含まれる度数が等しい場合は、「ブロック平均」表が表示されます。ブロック変数がその他の構成である場合は、「ブロックがある一元配置分散分析」レポートが作成されます。
「一元配置」プラットフォームの「あてはめの要約」表には、次のような統計量が表示されます。
R2乗
モデルによって説明できる変動の割合を表します。残りの変動は、モデルで説明できないため、ランダムな誤差とみなされます。モデルが完全にあてはまっていると、R2乗は1になります。「あてはめの要約」レポートの統計的詳細を参照してください。R2は「決定係数」とも言います。
メモ: R2乗が小さい場合は、必要な説明変数がモデルに含まれていない可能性があります。ただし、扱っているデータでの誤差が大きい場合は、意味のある分散分析モデルであっても、R2乗値が小さくなることがあります。研究分野により求められるR2乗値が異なる場合がありますので、その分野に関する文献を参考にしてください。
自由度調整R2乗
「自由度調整済みR2乗」、「自由度調整済み決定係数」などと呼ばれている指標であり、R2乗をモデルのパラメータ数で調整した指標です。自由度調整済みR2乗は、パラメータ数の異なるモデルを比較するのに役立ちます。「あてはめの要約」レポートの統計的詳細を参照してください。
誤差の標準偏差(RMSE)
誤差の標準偏差の推定値。これは、「分散分析」レポートにおける「誤差」行の「平均平方」列にある値の平方根です。
応答の平均
Y変数の全体平均(算術平均)。
オブザベーション(または重みの合計)
分散分析モデルを推定するために使われた標本サイズ(観測値の個数)。ただし、重み変数が使われた場合は、重みの合計です。「あてはめの要約」レポートの統計的詳細を参照してください。
「一元配置」プラットフォームの「プーリングしたt検定」表は、「分散が等しい」という仮定のもとで2群の平均を比較したt検定の結果を示します。この表は、X変数の水準数が2水準の場合のみ作成されます。「t検定」レポートを参照してください。
「一元配置」プラットフォームの「分散分析」表は、分散分析の結果をまとめたものです。分散分析は、データ全体の変動をいくつかの要因に分割します。
メモ: ブロック列を指定した場合は、「分散分析」レポートにブロック変数も表示されます。
要因
変動の要因。(「モデル」・「誤差」・「全体(修正済み)」)。
自由度
変動の各要因の自由度(DF)。
– 「全体(修正済み)」の自由度は、N - 1で求められます。Nは分析に使用された標本サイズ(観測値の個数)です。
– モデルの自由度はk - 1で、kはX変数の水準数です。
「誤差」の自由度は、「全体(修正済み)」とモデルの自由度の差(N - k)です。
平方和
変動をもたらす各要因の平方和(SS)。
– 「全体(修正済み)」の平方和は、各応答から全体平均までの距離の平方和です。「全体(修正済み)」の平方和は、基本モデルの平方和として、その他のモデルとの比較に使用されます。
– 「誤差」(残差)の平方和は、各点からそれぞれのグループ平均までの距離の平方和です。この平方和は、分散分析モデルをあてはめた後に残った、説明できない部分の平方和です。
全体平方和から誤差平方和を引いたものがモデルの平方和です。全変動のうちモデルによって説明されている部分を表します。
平均平方
平方和を関連する自由度で割った値。
– モデルの平均平方は、グループ平均が等しいという仮説のもとでの誤差分散推定値にもなっています。
– 「誤差」の平均平方は、モデルの平均平方とは無関係に誤差分散を推定した値であり、モデルの仮説による制約を受けません。
F値
モデルの平均平方を誤差の平均平方(MSE)で割ったもの。「すべてのグループの母平均は等しい(真のモデルにおいて母平均には差がない)」という仮説が真のとき、誤差とモデルの平均平方が両方とも誤差分散の推定値となり、その比はF分布に従います。分散分析モデルをあてはめた結果、誤差の変動が全体の変動よりも有意に減少した場合、「F値」は期待値よりも大きくなります。
p値(Prob>F)
すべてのグループの母平均の間に差がないという仮定のもとで、現在のF値よりも大きなF値を得る確率。p値が0.05以下だと、グループ平均に有意差がある証拠だとみなされます。
「一元配置」プラットフォームの「各水準の平均」表は、名義/順序尺度のXの水準ごとに、Y変数の情報をまとめたものです。
水準
X変数の水準。
数
各グループ内の標本サイズ(観測値の個数)。
平均
各グループの平均。
標準誤差
グループ平均の標準偏差の推定値。このレポートの標準誤差は、「Yの分散がどの水準でも等しい」という仮定のもとに計算されます。この標準誤差は、「あてはめの要約」レポートにある誤差の標準偏差(RMSE)を、グループごとの標本サイズの平方根で割ったものです。
下側95%と上側95%
このレポートでのグループ平均の両側95%信頼区間は、プールして求めた誤差分散推定値と自由度を使って計算したものです。
「一元配置」プラットフォームの「ブロック平均」レポートは、起動ウィンドウでブロック変数を指定し、ブロック変数とX変数の水準の組み合わせごとの度数が等しい場合にのみ表示されます。