管理図では時間ごとに工程の変動(ばらつき)が描かれるのに対し、変動性図では、オペレータ(測定者)・部品・繰り返し条件・計器などのカテゴリごとに変動が描かれます。変動性図では、グループ変数のカテゴリごとにデータや平均などが図示されます。それらのグループの情報は、横方向に並べて描かれます。平均・範囲・標準偏差がカテゴリごとに表示され、カテゴリ間でこれらの値がどのように異なるかを確かめることができます。カテゴリ間に見られる平均や分散の違いを調べるため、いろいろなオプションが用意されています。
変動性図は、主にゲージR&R(Gage Repeatability and Reproducibility; 測定の再現性および繰り返し性)のような測定精度の分析に使用します。ゲージR&Rは、変動性のうち、どれだけがオペレータ間の変動(再現性、再現精度)に起因し、どれだけが測定の繰り返し誤差(繰り返し性、併行精度)に起因するかを調べるものです。ゲージR&Rは、交差作用モデルと枝分かれモデルの多くの組み合わせで使用できます。また、データのバランス(釣合い)が取れていなくても使用できます。
ヒント: 変動性図は従来、マルチバリチャート(multi vari chart; 多変動図)と呼ばれていましたが、この名前は知名度が低いため、より一般的な意味を持つ「変動性図」(variability chart)という名前をJMPでは採用しています。