「反復測定劣化」プラットフォームの「反応」レポートには、計算式、Bayes推定の指定、MCMCの設定という3つのセクションがあります。経路の定義と変換を新しく組み合わせて[Bayes推定の設定に移動]ボタンをクリックするたびに、「応答」レポートが新しく作成されます。
「計算式」セクションには、選択したモデルの式が表示されます。この式は、「Bayes推定の指定」セクションで事前確率を指定する際に参考にしてください。
「Bayes推定の指定」セクションにおいて、劣化経路モデルのパラメータに対する事前分布を指定します。ここでの事前分布の設定に対するデフォルト値は、レポートの先頭で行われた予備的な推定の結果に基づいています。事前分布の設定を行う表には、以下の列があります。
パラメータ
劣化経路モデルのパラメータ名が含まれた列。
パラメータ確率分布
劣化経路モデルのパラメータが従う確率分布を指定する列。もし、パラメータを固定パラメータにした場合には「パラメータ確率分布」は指定できません。
事前
各ハイパーパラメータの事前分布に対する設定が含まれた列。
事前分布
各ハイパーパラメータに対する事前分布を指定するためのリストの列。これらの確率分布は、パーセント点やパラメータを使って指定することができます。このリストで角括弧が含まれている分布名は、ハイパーパラメータの事前分布が分布のパーセント点を使用して定義されていることを意味します。それ以外は、ハイパーパラメータの事前分布はパラメータで定義されています。
値の列
「値」の各列には、ハイパーパラメータの事前分布を定義するための入力フィールドがあります。ハイパーパラメータの事前分布を、パーセント点や従来のパラメータを使って指定することができます。
ヒント: 事前分布のハイパーハイパーパラメータ(つまり、ハイパーパラメータの事前分布に対するパラメータ)は、パーセント点やパラメータを使って指定することができます。事前分布のリストで角括弧が含まれている分布名を選択した場合、分布のパーセント点によって事前分布を指定してください。事前分布のリストで角括弧が含まれていない分布名を選択した場合、確率分布の分布パラメータによって事前分布を指定してください。
事前分布を指定するテーブルの下に、以下の追加オプションがあります。
モンテカルロ反復数
バーンイン(burn-in)を行った後に、事後分布から生成する標本サイズを指定します。2,000以上の値を指定する必要があります。
乱数シード値
MCMCの結果を再現できるように乱数シード値を指定します。
モデルのあてはめ
指定された事前分布と設定に基づいて、MCMC法によるサンプリングを実行します。「Bayes推定 <N>」という名前のレポートが表示されます。ここで、Nは、各「応答」レポート内の「Bayes推定」レポートの結果に対する通し番号です。「反復測定劣化Bayes推定」レポートを参照してください。
「MCMCの設定」セクションには、Markov連鎖モンテカルロ(MCMC; Markov Chain Monte Carlo)法の以下のオプションがあります。
ウォームアップの周回数
MCMCを事前に調整するための反復回数(warmup laps)を指定します。事後分布が収束していないように見える場合や、自己相関が大きい兆候が見られる場合は、この「ウォームアップの周回数」を増やすことを検討してください。また、[チェーン数]オプションの値が1より大きい場合は、ウォームアップの周回数を増やしたほうが良いでしょう。
自動間引き
推奨される間引き間隔を使用するかどうかを指定します。このオプションを選択しない場合、間引き期間は[間引き]オプションで指定します。事後分布から標本を間引くことで、結果の自己相関を減らすことができます。「ウォームアップの周回数」を増やしても自己相関が減らない場合だけ、この[自動間引き]オプションをオフにするのが良いでしょう。
間引き
([自動間引き]オプションを選択していない場合のみ利用できます。)間引き値を指定します。[自動間引き]オプションが使用されているときには、「MCMCの設定」レポートに表示される「間引き間隔」の値よりも間引き間隔は大きくなります。
チェーン数
MCMC法でのチェーンの数を指定します。デフォルト値は1です。このデフォルト値は探索的分析に推奨されます。[チェーン数]オプションが1の場合、予備的なモデルの推定値を開始値としてMCMCが開始されます。これにより、通常は収束を加速させることができます。しかし、事後分布が局所最適な状態に陥る可能性もあります。[チェーン数]オプションが1より大きい場合、2つ目以降のチェーンではランダムな値が使用されます。この場合、収束が遅くなる可能性がありますが、最終的な結果が収束しているという信頼を強めることができます。ランダムな開始点による収束の遅れに対処するため、チェーン数を2以上にした場合は、[ウォームアップの周回数]オプションの値を大きくする必要があるかもしれません。
ヒント: この値を大きくするのは、他の[MCMCの設定]の設定を使用して満足のいく結果が得られない場合に限ったほうが良いでしょう。[チェーン数]の値を大きくすると、1つのチェーンでは特定できない状況や問題が分かる時があります。
「応答」の赤い三角ボタンのメニューには、次のようなオプションがあります。
削除
「Bayes反復測定劣化」レポートのウィンドウから現在の「応答」レポートを削除します。