公開日: 09/19/2023

監視の統計量の統計的詳細

ここでは、「モデルに基づく多変量管理図」プラットフォームの監視の統計量の計算を取り上げます。

T2

T2管理図には、i番目の観測から求められたここに式を表示値が上にプロットされます。履歴データおよび現在データに対して、k個の成分を持つPCAモデル(主成分分析モデル)やPLSモデルにおいて、T2値は、次のように定義されます。

ここに式を表示

ここで

ti = i番目の観測における、k個のスコアからなるベクトル

Sk = 履歴データでのk個のスコアから計算された標本共分散行列(この行列は、対角行列です)

主成分分析モデルの場合、Skは、対角要素が固有値となっています。

PCAやPLSを計算するにあたりデータが中心化されている場合には、k個のスコアにおける各々の平均は0です。相関行列もしくは共分散行列に対するPCAや、中心化をしたPLSでは、上記のような平均化が行われます。Xが中心化されていない場合には、データがユーザーによって中心化されたものと仮定され、k個のスコアの各々の平均が0になります。HotellingのT2の詳細については、Montgomery(2013)を参照してください。

SPE

PCAモデルとPLSモデルでは、前処理されたX行列は次のように分解できます。

ここに式を表示

ここで、Tk= (t1,...,tk)は、k次元スコア行列で、Pk= (p1,...,pk)は、PCAモデルの場合は最初のk個の固有ベクトルを持つ行列、また、PLSモデルの場合は負荷量行列です。このPCAまたはPLSモデルの2乗予測誤差(SPE)がSPE管理図に使用されます。

SPE管理図には、i番目の観測値から求められたSPEiの値がプロットされます。2乗予測誤差(SPE)は次のように定義されます。

ここに式を表示

ここで、

ei = 観測値iの残差ベクトル

p = 変数の個数

Xモデルまでの距離

DModX管理図には、iの観測値から求められたDModXiの値がプロットされます。Xモデルまでの正規化した距離(DModX)は次のように定義されます。

ここに式を表示

ここで、

eij = 観測値i、変数jの残差

df1 = pk

データが中心化されている場合は、df2 = (nk−1)(pk)、データが中心化されていない場合は、 (nk)(pk)

n = 履歴データの観測数

k = PCA成分またはPLS成分の個数

p = 変数の個数

メモ: DModXiは、SPEiを1/dで尺度化した値です。

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