[推定値の並べ替え]オプションで表示されるレポートは、「パラメータ推定値」レポートに似ており、因子のスクリーニングに役立ちます。実験計画が飽和計画でない場合、このレポートは、「パラメータ推定値」レポートにおける切片以外の項を、p値の小さい順に並び替えたものです(並べ替えたパラメータ推定値の2番目のレポート)。実験計画が飽和計画の場合、疑似t検定が実行されます。疑似t検定は、Lenthの疑似標準誤差に基づき計算されています(Lenth, 1989)。第 “LenthのPSE”を参照してください。
1.
|
[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Reactor.jmp」を開きます。
|
2.
|
[分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
|
3.
|
「Y」を選択し、[Y]をクリックします。
|
4.
|
ウィンドウの下のほうにある「次数」ボックスに2という数値が入っていることを確認します。
|
5.
|
6.
|
[実行]をクリックします。
|
7.
|
赤い三角メニューから[推定値]>[推定値の並べ替え]を選択します。
|
図3.21 並べ替えたパラメータ推定値
•
|
•
|
数値だけでなく、t値を示す棒グラフが描画される。このグラフにおいて、青色の縦線は、有意水準5%の棄却値を示しています。
|
スクリーニング計画で使われることが多い完全飽和モデルには、誤差分散を推定できるだけの自由度がありません。そのような場合、「並べ替えたパラメータ推定値」レポート(並べ替えたパラメータ推定値)では、相対標準誤差とLenthの疑似標準誤差(PSE; Pseudo Standard Error)を使って、t値とp値が算出されます。PSEに基づく統計量には、「擬似」という語句が先頭に付けられます。第 “LenthのPSE”および第 “疑似t値”を参照してください。また、PSEの値と、解釈上の注意を示したメッセージが表示されます。
パラメータ推定値は、p値が小さいものから順に並んでいます。
疑似標準誤差を使って計算される推定値のt値。Lenthの疑似標準誤差は、レポートの下部に表示されます。
Lenthの疑似標準誤差(PSE; Pseudo Standard Error)は、Lenth(1989)によって提案された、標準誤差の推定値です。PSEが妥当なものになるには、「効果の稀薄性」が成立していなければいけません。「効果の稀薄性」とは、「スクリーニング計画においては、調べられる因子のほとんどが効果をもたない」という仮定です。重要ではない効果は、推定量のランダムなばらつきを反映しているので、標準誤差を推定するのに利用することができます。
相対標準誤差が等しくない場合、Lenthの疑似標準誤差が、t値スケールで計算されます。この値は、推定値を相対標準誤差で割った値から求められた、Lenthの疑似標準誤差です。次式によって、疑似t値は計算されます。
1.
|
[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Reactor.jmp」を開きます。
|
2.
|
[分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
|
3.
|
「Y」を選択し、[Y]をクリックします。
|
4.
|
5.
|
[マクロ]ボタンをクリックして[完全実施要因]を選択します。
|
6.
|
[実行]をクリックします。
|
7.
|
「応答 y」のタイトルバーにある赤い三角ボタンをクリックし、[推定値]>[推定値の並べ替え]を選択します。
|
使用されたLenthのPSEおよび自由度は、レポートの下部に表示されます。レポートは、疑似p値に基づき、効果「触媒」、「触媒*温度」、「温度*濃度」、「温度」、「濃度」は高度に有意であることを示しています。