一元配置分散分析モデルは、グループごとにそれぞれ異なる平均をもつモデルです。JMPの「モデルのあてはめ」で一元配置分散分析を行うには、応答変数に連続尺度の列を、効果に名義尺度の列を選択します。ここでは、「Drug.jmp」サンプルデータに対して一元配置分散分析を行います。
1.
|
[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Drug.jmp」を開きます。
|
2.
|
[分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
|
3.
|
「y」を選択し、[Y]をクリックします。
|
4.
|
「薬剤」を選択し、[追加]をクリックします。
|
5.
|
[実行]をクリックします。
|
この例の「薬剤」は名義尺度の列であり、「a」、「d」、「f」という3つの値があります。「モデルのあてはめ」の「標準最小2乗」は、この「薬剤」の列を1、0、−1という数値をもつダミー変数に変換して、線形モデルをあてはめます。この例における線形モデルのモデル式は、次のようになります。
–
|
–
|
–
|
–
|
–
|
εiは独立した正規分布に従う誤差項。
|
つまり、このモデルにおける2つのダミー変数は、各水準の指示変数から、最後の水準の指示変数を引いたものです。指示変数とは、その水準に属しているときに1、属していないときに0を取る変数のことです。そして、これらのダミー変数に対するパラメータは、該当する水準の平均から、全水準の平均を引いた差を表します。このようなパラメータの解釈については、付録「統計的詳細」(479ページ)を参照してください。
「てこ比プロット」と「最小2乗平均表」は、「薬剤」に対する「てこ比プロット」と「最小2乗平均表」です。「Drug.jmp」の「パラメータ推定値」と「効果の検定」は、「薬剤」データの一元配置分析の「パラメータ推定値」レポートと「効果の検定」レポートです。
図4.1 「てこ比プロット」と「最小2乗平均表」
[最小2乗平均の対比]を使って、「薬剤」効果をさらに詳しく分析しましょう。
1.
|
「薬剤」のタイトルバーにある赤い三角ボタンをクリックし、[最小2乗平均の対比]を選択します。
|
3.
|
[完了]をクリックします。
|
図4.3 薬剤実験の対比の例
「対比」レポートを見ると、薬剤「f」の平均は、それ以外の2つの薬剤の平均をさらに平均した値と有意に異なります。