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は、それぞれ、μ=0およびσ=1の標準正規分布の確率密度関数と累積分布関数です。
Weibull分布は、ハザードが時間とともに上昇または低下する故障時間データに適しています。形状パラメータβの値に基づいて、さまざまな種類のデータを非常に柔軟にモデル化できるため、信頼性分析で広く使われています。Weibull分布は、たとえば、電子部品、ローラーベアリング、キャパシタ(コンデンサ)、セラミックなどの故障時間データに使われてきました。尺度パラメータαと形状パラメータβを変更することで、さまざまな形のWeibull分布を作成できます Weibullの確率密度関数と累積分布関数は、次式のとおりです。
αは尺度パラメータ、βは形状パラメータです。Weibull分布は、βの値を変更することにより柔軟に形状が変わり、特にb = 1のときは指数分布になります。このようなパラメータ化のほかにも、多くの文献で使用され、JMPでも採用している方法として、位置パラメータμ、および尺度パラメータσによってWeibull分布を表す方法もあります。これらは次式で簡単にαβに変換できます。
Weibull分布の確率密度関数と累積分布関数は、 このパラメータ表現においては、位置パラメータμ = log(α)と尺度パラメータσ = 1/βをもつ最小極値分布に対数変換したデータが従うものとして表すことができます。
は、それぞれ、μ=0およびσ=1の標準最小極値分布の確率密度関数と累積分布関数です。
は、それぞれ、μ=0およびσ=1の標準ロジスティック分布の確率密度関数と累積分布関数です。
は、それぞれμ=0およびσ=1の標準最大極値分布の確率密度関数と累積分布関数です。
正規分布は、比較的単純であるため、中心極限定理が適用できる多くの領域で最も広く使われています。しかし、信頼性分析ではほとんど利用されません。故障時間データでも、μ > 0で、かつ、変動係数(σ/μ)が小さい場合には、正規分布があてはまるときもあります。ハザード関数の増加に上限がないことから、摩耗故障のデータに特に適しています。そのようなデータの例としては、白熱電球、トースターの電熱線、ワイヤーの機械的強度などが挙げられます。確率密度関数と累積分布関数は、次式のとおりです。
は、それぞれ、μ=0およびσ=1の標準正規分布の確率密度関数と累積分布関数です。
最小極値分布(SEV分布; Smallest Extreme Value distribution)は、左に歪んでいる非対称な分布です。2つのケースに適しています。1つは、短時間で故障するユニットが少ない(多数の観測値のうちごく少数が左裾にあるような)場合です。もう1つは、μに比べてσが小さいデータです(その場合、最小極値分布でゼロ以下になる確率が小さいため)。最小極値分布は、時間の経過とともにハザードが上昇するデータに適しています。データ例としては、高齢者の死亡率や、干ばつの間の降水量などが挙げられます。この分布は、Gumbel分布と呼ばれることもあります。確率密度関数と累積分布関数は、次式のとおりです。
は、それぞれμ=0およびσ=1の標準最小極値分布の確率密度関数と累積分布関数です。
は、それぞれ、μ=0およびσ=1の標準ロジスティック分布の確率密度関数と累積分布関数です。
最大極値分布(LEV分布; Largest Extreme Value distribution)は、右に歪んでいる非対称な分布です。μ>0と比べてσが小さい故障時間データに使える可能性があります。この分布は、信頼性分析では一般的ではありませんが、大規模な洪水や極端な風速など、極端な自然現象の推定に役立ちます。確率密度関数と累積分布関数は、次式のとおりです。
は、それぞれμ=0およびσ=1の標準最大極値分布の確率密度関数と累積分布関数です。
上の式で、θは尺度パラメータ、γは閾値パラメータです。信頼性分析では、γ = 0の1パラメータ指数分布を頻繁に使います。JMPでは、1パラメータ指数分布だけが用意されています。指数分布は、平均寿命をはるかに超えてからも、一定して故障が起こるような部品の故障時間データによくあてはまります。ハザード(瞬間故障率)が一定であり、ユニットの年齢に依存しません。そのため、材質疲労や腐食、短期的摩耗が生じる機械部品の寿命データには適していません。ただし、ある種の頑健な電子部品のデータには適しています。絶縁油と誘電性流体の寿命を記述する例では、効果的に使われています(Nelson, 1990、p. 53)。
ここで、, ω = [x – μ]/σ
は、それぞれ対数ガンマ分布の確率密度関数と累積分布関数です。κ > 0は形状パラメータです。上記の標準分布は、形状パラメータκに依存します。
メモ: JMPでは、数値計算を安定させるために一般化ガンマ分布の形状パラメータλが取りうる範囲を[-12,12]に制限しています。
上の式で、x > 0、ω = [log(x) - μ]/σ
上記の標準分布は、形状パラメータκに依存します。拡張一般化ガンマ分布についての詳細は、Meeker and Escobar(1998, ch. 5) で詳しく説明されています。
メモ: JMPでは、数値計算を安定させるために一般化ガンマ分布の形状パラメータλが取りうる範囲を[-12,12]に制限しています。
閾値パラメータをもつ分布は、対数-位置-尺度型の分布に、閾値パラメータを加えたものです。Weibull分布などを、閾値パラメータγを追加することで一般化した分布です。閾値パラメータを追加すると、分布の左端がシフトして0から離れます。閾値パラメータは、シフトパラメータ、最小値パラメータとも呼ばれ、すべてのユニットが閾値を超えて生存することから、保証パラメータと呼ばれることもあります。閾値パラメータを追加すると、分布が時間軸上でシフトしますが、分布の形状と広がりは変化しません。このような閾値分布は、中程度もしくは高程度に、分布がシフトしている場合に適しています。閾値パラメータがある対数-位置-尺度型の分布の確率密度関数と累積分布関数は、一般的に、次式のように表わされます。
上の式で、φΦは、それぞれ、各分布の標準分布における確率密度関数と累積分布関数です。Weibull分布・対数正規分布・Fréchet分布・対数ロジスティック分布の閾値分布は以下のとおりです。上記の確率密度関数と累積分布関数を、各分布のものに置き換えることにより、導出されます。
上の式で、μ =log(α)、およびσ= 1/βです。また、
は、それぞれμ=0およびσ=1の標準最小極値分布の確率密度関数と累積分布関数です。
は、それぞれ、μ=0およびσ=1の標準正規分布の確率密度関数と累積分布関数です。
は、それぞれμ=0およびσ=1の標準最大極値分布の確率密度関数と累積分布関数です。
は、それぞれ、μ=0およびσ=1の標準ロジスティック分布の確率密度関数と累積分布関数です。
pは、全体に占める故障部分母集団の割合です
tは寿命(故障時間)です
μおよびσは、位置と尺度を表すパラメータです。元のデータからゼロ値を除外した後、通常の最尤法で推定されます。
φ(z)およびΦ(z)は、それぞれ、標準分布の密度関数と累積分布関数です。たとえばWeibull分布の場合、次のようになります。
φ(z) = exp(z-exp(z))、Φ(z) = 1 - exp(-exp(z))
DS分布はMeeker and Escobar(1998, ch. 11)では、「限定故障母集団(limited failurer population) モデル」と呼ばれています。
ゼロ強調分布(Zero-Inflated distribution; ZI分布)は、t = 0において一定の割合(p)が故障しているデータに使用します。通常の分布で想定されるよりもゼロ時間での故障個数が多いデータに対して、ゼロが発生する確率を追加してモデル化します。「寿命の一変量」プラットフォームでは、[イベントまでの時間]データの最小値がゼロである場合に、 次の4つのゼロ強調分布を使用できます。
pは、ゼロ値の割合です。
tは、寿命(故障時間)です。
μおよびσは、位置と尺度を表すパラメータです。元のデータからゼロ値を除外した後、通常の最尤法で推定されます。
φ(z)およびΦ(z)は、それぞれ、標準分布の密度関数と累積分布関数です。たとえばWeibull分布の場合、次のようになります。
φ(z) = exp(z-exp(z))、Φ(z) = 1 - exp(-exp(z))
ゼロ強調分布の詳細については、Lawless(2003、p. 34)を参照してください。p = 1 - pおよびS1(t) = 1 - Φ(t)を代入すると、上の式が得られます。
詳細については、Meeker and Escobar(1995, p. 232)を参照してください。そこでは、一般的な混合分布の式が記載されています。Tobias and Trindade(1995)で述べられている計算式において、α = pFd(t) = 1、FN(t) = Φ(t)を代入すると、上の式が得られます。