『スクリプトガイド』では、ベジェ曲線についての詳しい説明は省略します。JSLには、曲線や曲面とそれに対するメッシュを定義・描画するためのコマンドが用意されています。
図13.19 ベジェ曲線
1次元のベジェ曲線を定義するには、Map1コマンドを使います。
Map1( target, u1, u2, stride, order, matrix )
target引数には、制御点で何を表すかを定義します。target引数の値は、表13.6に示しています。Enableコマンドを使って、引数を有効にする必要があります。
target引数 | 意味 |
---|---|
MAP1_VERTEX_3 | (x, y, z)頂点座標 |
MAP1_VERTEX_4 | (x, y, z, w)頂点座標 |
MAP1_INDEX | 色インデックス |
MAP1_COLOR_4 | R、G、B、A |
MAP1_NORMAL | 法線座標 |
MAP1_TEXTURE_COORD_1 | s テクスチャ座標 |
MAP1_TEXTURE_COORD_2 | (s,t) テクスチャ座標 |
MAP1_TEXTURE_COORD_3 | (s,t,r) テクスチャ座標 |
MAP1_TEXTURE_COORD_4 | (s,t,r,q) テクスチャ座標 |
2番目の2つの引数(u1とu2)には、曲線の範囲を指定します。strideは、記憶されている制御点の、各ブロックごとの数値の個数(つまり、ある制御点から、次の制御点までのオフセット)です。orderは、曲線の次数に1を足した値です。matrixには、制御点を指定します。
たとえば、Map1( MAP1_VERTEX_3, 0, 1, 3, 4, <4x3 matrix> )のように指定します。これは、2つの端点に対し、制御点を2つ設定してベジェ曲線を定義する典型的な方法です。
MapGrid1とEvalMesh1コマンドを使って、等間隔のメッシュを定義し、適用します。
MapGrid1( un, u1, u2 )
このコマンドは、u1からu2の範囲にわたってun分割されるメッシュをセットアップします。0から1までを範囲とすれば、コーディングが簡素化されます。
EvalMesh1( mode, i1, i2 )
このコマンドは、i1からi2まで実際にメッシュを生成します。modeには、POINTまたはLINEを指定できます。EvalMesh1コマンドは、固有のBegin節およびEnd節を作成します。
次のスクリプト例では、ベジェ曲線を描きます。乱数によって決められた制御点をもとに、滑らかな曲線が描かれます。最初と最後の点だけが曲線上にあります。NPOINTS=4を指定していますので、3次のベジェ曲線が描かれています。
boxwide = 500;
boxhigh = 400;
gridsize = 100; // 値を大きくすると、より見やすい間隔になる
/* 2以上8以下の値を指定してください。この範囲外の数値は、実装方法によっては正しく動作しないかもしれません。この値は、曲線の次数に1を足したものです。*/
NPOINTS = 4;
point = J( NPOINTS, 3, 0 );
// x、y、zの3次元配列を作成する
For( x = 1, x <= NPOINTS, x++,
point[x, 1] = (x - 1) / (NPOINTS - 1) - .5;
// xの範囲は-.5~+.5
point[x, 2] = Random Uniform() - .5; // yは同じ範囲の乱数
// 1つの平面上に曲線を描くので、zは常にゼロ
point[x, 3] = 0;
);
spline = Scene Box( boxwide, boxhigh );
// xとyの範囲は-0.5~0.5なので、それよりわずかに大きくする
spline << Ortho( -.6, .6, -.6, .6, -2, 2 );
spline << Enable( MAP1_VERTEX_3 );
spline << MapGrid1( gridsize, 0, 1 );
spline << Color( .2, .2, 1 ); // 青色の曲線
spline << Map1( MAP1_VERTEX_3, 0, 1, 3, NPOINTS, point );
spline << Line Width( 2 ); // 細すぎない曲線にする
spline << EvalMesh1( LINE, 0, gridsize ); // LINEをPOINTに変更して試してください
spline << Color( .2, 1, .2 );
spline << Point Size( 4 ); // 大きい緑色の点
// 点を表示してラベルを付ける
For( i = 1, i <= NPOINTS, i++,
spline << Begin( "POINTS" );
spline << Vertex( point[i, 1], point[i, 2], point[i, 3] );
spline << End;
spline << Push Matrix;
spline << Translate( point[i, 1], point[i, 2], point[i, 3] );
spline << Text( center, bottom, .05, Char( i ) );
spline << Pop Matrix;
);
New Window( "スプライン", spline );
https://www.tinaja.com/glib/bezconn.pdfでは、勾配と変化率が連結点で一致している、区分的な3次式を求める方法が説明されています。上記の例は区分的な曲線は1本だけで、複数の区分的な曲線を連結しているわけではありません。