公開日: 04/01/2021

割合の比較

X変数およびY変数がカテゴリカルな変数の場合、Y変数の各水準の割合が、X変数の水準間で異なるかどうか比較できます。

シナリオ

この例でも、会社情報のサンプルデータ「Companies.jmp」を使用します。1変数による平均の比較では、製薬会社の方がコンピュータ関連企業よりも平均利益が高いことを確認しました。

証券アナリストは、会社のタイプによって、会社規模が利益に与える影響に違いがあるかどうかに興味があります。ただし、この点を検討する前に、母集団において、コンピュータ関連企業と製薬会社で会社規模(大、中、小)の割合が同じかどうかを調べてみます。

関係の洗い出し

1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Companies.jmp」を開きます。

2. 「Companies.jmp」データファイルが、前の例で使われたままで開いた状態になっている場合は、行が除外されたり、非表示になっている可能性があります。行をデフォルトの状態(すべての行を対象に含め、いずれも非表示にしない)に戻すには、[行]>[行の属性をクリア]を選択します。

3. [分析]>[二変量の関係]を選択します。

4. 「会社規模」を選択し、[Y, 目的変数]をクリックします。

5. 「タイプ」を選択し、[X, 説明変数]をクリックします。

6. [OK]をクリックします。

図5.19 会社タイプ別の会社規模 

Image shown here

「分割表」には、この例では使用しない情報が含まれています。「分割表」の赤い三角ボタンをクリックし、表示されたメニューで[全体%][列%]の選択を解除して、これらの情報を削除します。図5.20は、更新後の表を示しています。

図5.20 更新後の分割表 

Image shown here

結果の解釈

「モザイク図」には、「分割表」に示されている統計量が視覚的に示されています。「モザイク図」と「分割表」は両方とも、2つの業界で大、中、小規模の会社が占める割合を比較しています。たとえば、「モザイク図」から、小規模企業の占める割合はコンピュータ業界の方が製薬業界に比べて高いことがわかります。「分割表」には具体的な統計量が示されています。小規模企業の占める割合はコンピュータ関連企業では70%、製薬会社では約17%となっています。

検定の解釈

ここまでは、限られた標本(データテーブル内の会社)に基づいて考察してきました。ここで、すべてのコンピュータ関連企業と製薬会社を含む母集団においても、割合に差があるかどうかを調べるとします。

差があることを確認するには、「検定」レポート(図5.19 )におけるPearsonのカイ2乗検定のp値を見ます。p値0.011は有意水準0.05よりも小さいため、次の結論を導き出せます。

標本データの差は偶然だけで起きたものではない。

母集団において、割合に差はある。

これで、大、中、小規模企業それぞれの割合に差があることが判明しました。次は、会社のタイプによって、会社規模が利益に与える影響に違いがあるかどうかを検討します。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).