「設定」パネルの最上部には、「シミュレーション設定」レポートが表示されます。「シミュレーション設定」レポートにおいては、選択したすべての部品の設定が表示されます。選択したイベントとアクションの設定内容は、そのイベントまたはアクションの対象となるブロック図形の下に表示されます。
シミュレーション設定は、「設定」パネルの「シミュレーション設定」レポートで変更できます。次のような設定が可能です。
シミュレーション期間
各反復でシミュレーションする時間の長さ。
時間単位
シミュレーションに使用する時間の単位。
注: イベントやアクションでの時間(たとえば、あるイベントが起こる間隔)に、この「シミュレーション設定」の「時間単位」で指定した単位が使用されます。
シミュレーション回数
シミュレーションの反復回数。
シード値
(オプション)シミュレーションによる結果を再現するための乱数シード値。デフォルトでは、「シード値」は0で、同じ結果を再現しません。分析をスクリプトに保存すると、入力したシード値がスクリプトに保存されます。
警告: 右クリックして[マルチスレッドでシミュレーション実行]を選択し、シミュレーションを実行した場合、「シード値」を指定しても同じ結果を再現できません。
システムダイヤグラムでブロック図形を選択すると、「設定」パネルに設定内容が表示されます。
「合流点ブロック」を除くすべてのブロック図形には、部品(component; 要素)が含まれています。そして、それぞれの部品には、故障する様子を示す確率分布(故障分布)が定義されています。「基本ブロック」は1 つの部品だけを表します。よって、「基本ブロック」では、部品の故障分布がブロック全体の故障分布を示します。故障分布のオプションの詳細については、分布のオプションを参照してください。
直列のブロックは、部品が1つでも故障すると、ブロックも故障します。並列のブロックは、すべての部品が故障したときに限り、ブロックが故障します。直列ブロックおよび並列ブロックには次のオプションがあります。
N
ブロックに含まれる同一部品の個数を指定します。
K-out-of-Nブロックにはn個の同一部品が含まれます。故障していない部品がk個未満になると、このブロックは故障します。K-out-of-Nブロックには次のオプションがあります。
K
ブロックが正常に使用できる状態にあるために必要な部品の最小個数を指定します。
N
ブロックに含まれる同一部品の個数を指定します。
スタンバイブロックには、「スタンバイ部品」と呼ばれる補助的な部品があります。スタンバイ部品は、アクティブになっていません。「アクティブ」とは、その部品が稼動している状態(動作している状態)を指します。アクティブでない部品は、スタンバイブロック内で稼働しておらず、アクティブな部品が故障したときに1つずつアクティブ化されます。スタンバイ部品は、開始時には稼動していませんが、アクティブな部品が故障したときに、順に稼動されていきます。時には、アクティブにする処理がうまくいかない場合もあります。スタンバイ部品をアクティブにするときに、部品のスイッチが故障している場合などがあるためです。n個の同一部品のうちアクティブな部品がk個未満の場合、スタンバイブロックは故障します。スタンバイブロックには次のオプションがあります。
K
開始時に稼動する部品の個数を指定します。この数は、ブロックが使用できる状態にあるために必要なアクティブな部品の最小個数でもあります。
N
ブロック内にある同一部品の総個数を指定します。nからkを引いた差は、スタンバイ部品の個数です。
スイッチの種類
アクティブな部品のいずれかが故障した場合に1つのスタンバイ部品をアクティブ化するためのメカニズムを指定します。
単一のスイッチ
ブロックにスイッチが1つだけあります。スイッチが機能せずスタンバイ部品をアクティブにできなかった場合、ブロックも故障します。
個別のスイッチ
各スタンバイ部品に、それぞれスイッチがあります。ある1つのスイッチが機能せず、該当のスタンバイ部品をアクティブにできなかった場合、そのスタンバイ部品は稼動しません。しかし、スタンバイブロックは、いずれか1つのスタンバイ部品がアクティブになるまで、順次、スタンバイ部品をアクティブにしようとしていきます。いずれのスイッチも機能せず、稼動している部品の個数がk個未満になると、ブロックは故障します。
スイッチの信頼性
アクティブな部品のいずれかが故障したときに、スタンバイ部品をアクティブな状態にしようと試みます。その処理が成功する確率を指定します
スタンバイの種類
スタンバイ部品の故障確率の状態を指定します。
コールド
この種類の部品は、アクティブになっていないときは、経年劣化しません。
ウォーム
この種類の部品は、アクティブになっていない期間でも、副次的な故障分布(スタンバイ状態における故障分布)に従って経年劣化します。アクティブになったスタンバイ部品は、主の故障分布(稼動状態における故障分布)に従って経年劣化します。稼動していない部品(アクティブになっていない部品)は、ストレスが小さいと考えられます。そのときの故障分布を表すために、副次的な故障分布を使用します。
ストレス共有ブロックは、ストレスを部品間に等しく分配します。部品が故障すると、機能している部品のストレスが増加し、その結果、故障率が高まります。
N
ブロックに含まれる同一部品の総個数を指定します。
スイッチの信頼性
機能している残りの部品間でストレスを適切に再割り当てできる確率を指定します。ストレスの再割り当てに失敗した場合、ブロックは故障します。
ストレス共有の種類
機能している部品間でストレスを共有する方法を指定します。
基本(デフォルト)
機能している残りの部品間でストレスが等しく共有されるよう指定します。この種のストレス共有は負荷分散と呼ばれます。各部品の特性寿命は、負荷を共有する部品の個数に比例します。
カスタム
「共有計算式」オプション内に表示されたJSLコードに従って、部品間でストレスが共有されるよう指定します。「共有計算式」は、部品が故障した場合のストレスの変化を定義します。
合流点ブロックには故障分布は指定できません。合流点ブロックに接続されているブロック図形のうち、使用できる状態になっているものの個数が、指定されている最小個数を下回ると合流点ブロックは故障したとみなされます。合流点ブロックには次のオプションがあります。
可動最小要素数
合流点ブロックが使用できる状態であるために必要な、合流点に繋がれている、使用できる状態にあるブロックの最小個数を指定します。