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公開日: 04/01/2021

地図シェープのSpace Filling計画の作成

高速柔軟充填計画(FFF)では、地図シェープなどの領域に合わせて実施する実験が計画できます。たとえば、米国のある州全体で2つの方法を用いて標本を採集し(空気の標本または土の標本)、比較したい場合には、高速柔軟充填計画が向いています。

ジョージア州で調査を行うとしましょう。州の各地で、それぞれの方法で20ずつ、計40の標本を抽出します。地図シェープの高速柔軟充填計画を作成するには、境界線の緯度と経度を保存したファイルが必要になります(背景地図を参照)。

次の例では、ジョージア州の緯度と経度を特定して州の形状を定義し、計画を作成します。計画には、40の標本のそれぞれについて、位置と抽出方法が含まれます。

ジョージアの緯度と経度を見つける

1. 「Maps」ディレクトリを開きます。

Windows: C:¥Program Files¥SAS¥JMP¥<バージョン番号>¥Maps

Macintosh: /Library/Application Support/JMP/<バージョン番号>/Maps

2. 「US-State-XY.jmp」「US-State-Name.jmp」を開きます。

「US-State-Name.jmp」では、「Shape ID」が「11」の州がジョージアです。この例では、ジョージア州について調べます。

3. 「US-State-XY.jmp」で、[行]>[行の選択]>[Where条件で選択]を選択します。

4. 「Shape ID」を選択し、テキストボックスに「11」と入力して[OK]をクリックします。

「Shape ID」が11である行、つまりジョージア州の行がすべて選択されます。

5. [テーブル]>[サブセット]を選択し、[OK]をクリックすると、ジョージア州の経度・緯度データ(選択された行)をまとめた「US-State-XY.jmp」のサブセットが作成されます。

6. 「US-State-XY.jmp」「US-State-Name.jmp」を閉じます。

値の範囲の取得

Space Filling計画の空間を定義するためには、ジョージア州の経度と緯度の値の範囲を知る必要があります。この値の範囲を使って、計画因子を作成します。

1. [ファイル]>[新規作成]>[スクリプト]を選択します。スクリプトウィンドウで右クリックし、[ウィンドウ内にログを表示]を選択します。

2. 次のスクリプトをコピーし、新しいスクリプトに貼り付けます。

dt = current data table();
mymap = dt << get as matrix({X,Y});
xx = mymap[0,1];
yy = mymap[0,2];
show(min(xx), max(xx));
show(min(yy), max(yy));
show(xx,yy);

3. 「US-State-XY.jmp」のサブセットをアクティブにした状態で、スクリプトを実行します。

ジョージア州の緯度と経度の値の範囲、そしてxx yyの行列がログに表示されます。

図21.25 範囲を調べるスクリプトとログに表示された結果 

Image shown here

因子の追加

1. [実験計画(DOE)]>[特殊な目的]>[Space Filling計画]を選択します。

2. 計画に連続変数の因子を2つ追加します。「N個の因子を追加」に「2」と入力し、[連続変数]をクリックします。

3. 因子の名前を「経度」と「緯度」に変更します。最小値と最大値を次のように入力します。

経度については、「-85.6」と「-80.9」を入力します。これは、xのログに表示された経度の最小値と最大値です。

緯度については、「30.4」と「35.0」を入力します。これは、yのログに表示された緯度の最小値と最大値です。

4. カテゴリカルな因子を1つ追加します。[カテゴリカル]>[2水準]をクリックします。因子の名前を「方法」に変更します。

図21.26 因子 

Image shown here

5. [続行]をクリックします。

シェープの定義

Space Filling計画の空間を決めるために、多角形を使って州の形状を定義する必要があります。

1. [スクリプトで許可しない組み合わせを指定]を選択し、「許可しない組み合わせの式」テキストボックスを開きます。

緯度と経度の範囲では、四角い形しか定義できませんが、ジョージア州の形状は多角形で、四角ではありません。点はジョージア州の多角形からはみ出ないようにする必要があります。

2. スクリプトウィンドウに移動し、スクリプトログにあるxx yyの行列をコピーします。コピーした行列を「許可しない組み合わせの式」のテキストボックスに貼り付けます。

3. 末尾に次の行を追加します。

!In Polygon(経度, 緯度 , xx, yy);

これにより、xxyyの座標で定義される多角形に収まらない点が除外されます。

図21.27 許可しない組み合わせの式 

Image shown here

計画の作成

1. 「実験の回数」を「40」に変更し、[高速柔軟充填]をクリックします。

2. [テーブルの作成]をクリックします。

3. 計画のデータテーブルで[グラフ]>[グラフビルダー]を選択します。

4. 次のように、列をゾーンにドラッグします。

「経度」「X」ゾーンに

「緯度」「Y」ゾーンに

「方法」「色」ゾーンに

5. グラフの上にある[平滑線]のアイコンをクリックして、平滑線を削除します。

6. 州のシェープを追加するため、グラフを右クリックし、[グラフ]>[背景地図]を選択します。

7. 「境界線」として[米国の州]を選択し、[OK]をクリックします。

図21.28 ジョージア州の高速柔軟充填計画の例 

Image shown here

注: 高速柔軟充填アルゴリズムでは、開始点がランダムに選択されるため、地図上の点の位置はここに表示されたものとは異なります。

地図は、標本の採集をすべき40の場所を示しています。点の色が標本採集の方法(L1またはL2)を表しています。

[グラフ]>[背景地図]を選択して開いたウィンドウには、次のようなオプションがあります。

調査する対象が群の場合は、[境界線]の中の[米国の郡]を選択します。

調査する対象がより狭い地域の場合は、「イメージ」の中の[Street Map Service]も使用できます。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).