Crow-AMSAAモデルを通常の最尤法で推定した場合、βの最尤推定値はバイアスを持ちます。このオプションは、βの最尤推定値におけるバイアスを調整した推定値を求めます。
注: このオプションを使用できるのは、データが単一の[イベントまでの時間]列または[タイムスタンプ]列として起動ウィンドウに入力された場合のみです。区間打ち切りデータに対しては使用できません。
図10.15は、「TurbineEngineDesign1.jmp」のデータに対するCrow-AMSAA修正最尤法のあてはめを示しています。
図10.15 「Crow-AMSAA 修正最尤法」レポート
βのバイアス修正済み推定値の式は、試験が定数打ち切りであるか、定時打ち切りであるかによって異なります。「Crow-AMSAA 修正最尤法」のパラメータ推定値を参照してください。
[Crow-AMSAA 修正最尤法]オプションを選択すると、「累積イベント数」グラフにこのモデルの結果が追加されます。また、このオプションを選択すると、「モデルリスト」も更新されます。また、「Crow-AMSAA 修正最尤法」レポートが開き、Crow-AMSAA修正最尤法の「平均故障間隔」グラフ・「推定値」・「共分散行列」が表示されます。「平均故障間隔」グラフについては、「平均故障間隔」グラフ節で説明しています。
[平均故障間隔グラフの表示]のほかに、[強度グラフの表示]・[累積イベント数グラフの表示]・[プロファイルの表示]・[最終時点の平均故障間隔]・[適合度]のオプションがあります。これらのレポートについては、Crow-AMSAAモデルで説明しています。修正最尤法による推定値については、「Crow-AMSAA 修正最尤法」のパラメータ推定値を参照してください。Crow-AMSAA修正最尤法における「適合度」および「最終時点の平均故障間隔」レポートの詳細については、以下を参照してください。
[Crow-AMSAA 修正最尤法]オプションはデータが単一の[イベントまでの時間]列または[タイムスタンプ]列として入力された場合にしか使用できないため、適合度検定には常にCramér-von Mises検定が使われます。この検定で使用される推定値βはバイアスが修正されていています。通常のCrow-AMSAAモデルの「適合度」における結果もバイアスが修正されており、両者は同じ結果になります。
最終時点の平均故障間隔は、修正最尤法を使用して推定されます。ただし、最終時点の平均故障間隔に対する信頼区間は通常の最尤推定値を使用しています。よって、ここでの信頼区間は、Crow-AMSAAモデルを通常の最尤法で推定した結果における信頼区間と同じになります。