この例では、実験回数16、20、および24の計画3つを比較します。この例では、モデルとして主効果だけのモデルを仮定します。「計画の比較」プラットフォームを使って、追加費用が発生しても実験回数を増やす方が潜在的にメリットがあるかどうかを判断します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータ]を選択し、[サンプルスクリプトディレクトリを開く]をクリックし、「Compare Three Run Sizes.jsl」を開きます。
2. スクリプトウィンドウ内で右クリックし、[スクリプトの実行]を選択します。
スクリプトを実行すると、3つのデータテーブルが、「カスタム計画」において「モデル」に主効果だけを指定することで作成されます。
– 実験回数16の計画
– 実験回数20の計画
– 実験回数24の計画
これら3つの計画を比較しましょう。「16-Run Design」テーブルをアクティブな状態にしてください。
3. 「16-Run Design」データテーブルで、[実験計画(DOE)]>[計画の診断]>[計画の比較]を選択します。
4. 「「16-Run Design」と比較する計画」リストから、「20-Run Design 」と「24-Run Design」を選択します。
各計画のパネルが起動ウィンドウに追加されます。3つのデータテーブルに表示される順序をもとに、自動的に列の対応が認識されます。
5. [OK]をクリックします。
図16.8 「検出力分析」の比較
モデルの係数がRMSEと同じ大きさである場合には、3つの計画すべてにおいて主効果に対する検出力は高いです。
図16.9 「計画領域率」の比較
予想通り、実験回数24の計画の方が、他の2つの計画に比べて、計画領域全体における予測分散が小さくなっています。また、実験回数20の計画が実験回数16の計画より予測分散が小さいです。
6. 「相関係数の絶対値」レポートで、「相関のカラーマップ」レポートを開き、さらにその下の3つのレポートを開きます。
図16.10 「相関のカラーマップ」の比較
実験回数16の計画における「相関のカラーマップ」では、いくつかの主効果といくつかの2因子間交互作用との間に、および、2因子間交互作用間に完全交絡があることが示されています。
実験回数20の計画における「相関のカラーマップ」では、いくつかの主効果といくつかの2因子間交互作用との間に、および、いくつかの2因子間交互作用間に大きな相関があることが示されています。
実験回数24の計画における「相関のカラーマップ」では、いくつかの主効果といくつかの2因子間交互作用との間に、および、いくつかの2因子間交互作用間に中程度の相関があることが示されています。
図16.11 「相関係数の絶対値」の比較
「相関係数の絶対値」表には、「相関のカラーマップ」に示されている情報の要約が表示されます。3つの計画のすべてにおいて、モデルは主効果だけのモデルであり、「交絡項」には2因子間交互作用が含まれます。
実験回数16の計画では、「モデル項× 交絡項」を見ると、主効果と2因子間交互作用との間に完全交絡が9つあることが示されています。また、「交絡項×交絡項」には、2因子間交互作用において6つの項が完全交絡していることが示されています。
図16.12 「計画の診断統計量」の比較
「計画の診断統計量」レポートでは、いくつかの推定効率の指標に関して、実験回数16の計画を、実験回数20の計画および実験回数24の計画と比較します。1を越える相対効率値は、その項目に関して基準の計画の方が好ましいことを意味します。1未満の相対効率値は、その指標に関して、基準の計画より比較対象の計画の方が好ましいことを意味します。すべての指標において、他の計画に比べて、実験回数16の計画の効率が低いことから、実験回数の多い計画の方が好ましいことがわかります。
7. 「因子」アウトラインで、「X1」から「X3」までを選択します。
8. 「モデル」パネルで[交互作用]>[2次]を選択します。
「推定不可能な項」ウィンドウに、実験回数16の計画では、モデルに追加した効果の1つ(X1*X2)をあてはめることができない旨が表示されます。
9. [OK]をクリックします。
それ以外の交互作用であるX1*X3とX2*X3は、「計画の比較」レポートに追加されます。レポートを検討することにより、これら2つの交互作用を含んだモデルをもとに、計画を比較できます。