ポップコーンの収率を調べたデータがあります。この調査の因子は、コーンの種類(「グルメ」と「プレーン」)、使用する油の量、一回にポップする量(「少量」と「多量」)です。応答変数は収率です。コーンの種類、油の量、一回にポップする量の各因子が、ポップコーンの収率にどのように影響するかを調べます。
因子水準の可能な組み合わせは8個で、それぞれの組み合わせが2回実験されたため、収率の値は16個あります。
注: これは、人工的に作成したデータですが、Box, Hunter, and Hunter(1978)で報告されている実験を参考にしています。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Popcorn.jmp」を開きます。
2. テーブルパネルの左上で、「完全実施要因モデル」の横にある緑の三角ボタンをクリックします。
完全実施要因モデルがデータにあてはめられます。
「効果の要約」レポート
「効果の要約」レポートを見ると、「コーンの種類*一回にポップする量」 の交互作用のp値(0.00261)が小さくなっています。これにより、「コーンの種類」と「一回にポップする量」の間に有意な交互作用があると結論できます。
3. 「応答 収率」の赤い三角ボタンをクリックし、開いたメニューから[列の保存]>[予測式]を選択します。
これで、予測式を含む列がデータテーブルに保存されます。新しい列は「予測式 収率」です。
4. 「応答 収率」の赤い三角ボタンをクリックし、開いたメニューから[列の保存]>[平均の信頼区間]を選択します。
これで、「平均 収率の下側95%」と「平均 収率の上側95%」という新しい2つの列がデータテーブルに追加されます。
ここでグラフビルダーを使い、「コーンの種類」と「一回にポップする量」の交互作用をグラフにします。
5. [グラフ]>[グラフビルダー]を選択します。
6. 以下の列を選択し、「Y」ゾーンにドラッグします。
– 予測式 収率
– 平均 収率の下側95%
– 平均 収率の上側95%
7. 「コーンの種類」を選択し、「X」ゾーンにドラッグします。
8. 「一回にポップする量」を選択し、「グループX」ゾーンにドラッグします。
9. 「油の量」を選択し、「グループY」ゾーンにドラッグします。
8通りの因子の組み合わせで観測した収率の値
前述のとおり、因子水準の可能な組み合わせ8個のそれぞれに、2つのオブザベーションがあります。予測式からは、同じ因子水準の組み合わせに対して2回とも同じ予測値が求められます。「点をずらす」オプションがオンになっているため、「コーンの種類」、「一回にポップする量」、「油の量」の各組み合わせに対し、点が2つずつ表示されています。
10. 「点をずらす」を[なし]に変更します(図)。
グラフに、「平均 収率の下側95%」および「平均 収率の上側95%」の区間を表す棒と「予測式 収率」の点を表示させてみましょう。
11. [棒]を選択し、プロットにドラッグします。
これで、3つすべてのY軸変数に対して棒が追加されました。
信頼区間と平均を横に並べた棒グラフ
12. 「棒」オプションパネルで、「棒のスタイル」メニューから[間隔]を選択します(図)。
3つのY軸変数に「棒のスタイル」の[間隔]を適用した状態
間隔を表す棒は、現在、「平均 収率の下側95%」から「予測式 収率」までの間隔を示していますが、本来なら「平均 収率の上側95%」までの間隔でなければなりません。「予測式 収率」の棒を削除しましょう。
13. 「棒」オプションの「変数」で、[Y 予測式 収率]の選択を解除します(図)。
これで、信頼区間は下側限界から上側限界までになりました。
上下の信頼限界の間隔を現すグラフ
「平均 収率の下側95%」と「平均 収率の上側95%」の点を削除します。
14. 「点」オプションの「変数」で、[Y 平均 収率の下側95%]と[Y 平均 収率の上側95%]の選択を解除します(図)。
予測値を見やすくするため、点を大きくします。
15. Ctrlキーを押した状態で、いずれかのグラフの中を右クリックします。[グラフ]>「マーカーサイズ」>「XXL」を選択します。
ヒント: グラフのタイトルや「X」ゾーンと「Y」ゾーンのラベルを変更することもできます。それには、タイトルまたはラベルをクリックし、新しいテキストを入力します。
16. (オプション)[終了]をクリックします。
平均の予測値と信頼区間
次のような関係を見て取ることができます。
• 一回にポップする量が多い場合は、「プレーン」と「グルメ」の間に差が見られません。
• 一回にポップする量が少ない場合は、「グルメ」の方が「プレーン」より収率が高くなっています。
• 油の量の各水準において、コーンの種類と一回にポップする量との関係は同じです。「効果の要約」レポートは3次の交互作用が統計的に有意ではないことを示していましたが、予期したとおり、3次の交互作用を示す証拠は見当たりません。