工程や製品は、多くの場合、誤差因子に影響されます。「誤差因子」とは、制御が難しい、あるいは制御にコストがかかる因子を指します。工程や製品を設計するときは、制御因子(制御可能な因子)の設定のなかで、誤差因子の影響をなるべく受けない設定を見つけることが大切です。これまで、誤差因子がある実験にはタグチ計画が使用されてきました。なお、タグチ計画などでも、実験においては、誤差因子を制御する必要があります。
タグチ計画に代わる計画には、組み合わせ配列(combined arrays)や混合レゾリューション計画(mixed resolution design)(Borror and Montgomery 2000)があります。混合レゾリューション計画では、制御因子と誤差因子の両方を含む計画が作成できます。このような計画の目標は、制御因子におけるロバストな設定を見つけることです。その際、特定の効果が推定できることが重要です。具体的には、制御因子の主効果、誤差因子の主効果、制御因子と制御因子の交互作用、制御因子と誤差因子の交互作用、制御因子の2乗項が推定できるような計画を立てることが重要です。
「カスタム計画」を使って、ロバストな設定を見つけ出す計画を作成しましょう。
この例では、3つの誤差因子がある状況で、4つの制御因子の最適な設定を見つけます
1. [実験計画(DOE)]>[カスタム計画]を選択します。
2. 「因子」アウトラインで、「N個の因子を追加」の横のボックスに「4」と入力します。
3. [因子の追加]>[連続変数]を選択します。
4. 「因子」アウトラインで、「N個の因子を追加」の横のボックスに「3」と入力します。
5. [因子の追加]>[連続変数]を選択します。
6. 「X5」をダブルクリックし、「Z1」に変更して誤差因子に指定します。同様に、「X6」と「X7」を「Z2」、「Z3」に変更します。
図5.83 制御因子が4つ、誤差因子が3つある計画の「因子」アウトライン
7. [続行]をクリックします。
次に、誤差因子の影響をなるべく受けない制御因子の最適な設定を見つけるためのモデルを指定します。
8. モデルには、デフォルトですべての主効果が含まれています。
9. 2因子間交互作用項を追加するため、[交互作用]>[2次]をクリックします。
これで、制御因子と制御因子の交互作用、誤差因子と制御因子の交互作用、誤差因子と誤差因子の交互作用が追加されます。ただ、誤差因子と誤差因子の交互作用を推定する必要はありません。
10. そこで、リストの一番下までスクロールし、「Z1*Z2」、「Z1*Z3」、「Z2*Z3」を強調表示し、[項目の削除]をクリックします。これで、誤差因子と誤差因子の交互作用が削除されます。
11. 「因子」アウトラインで「X1」、「X2」、「X3」、「X4」を選択します。
12. 「モデル」アウトラインで[べき乗]>[2次]をクリックし、制御変数の2乗項を追加します。
図5.84 誤差因子のある計画の「モデル」アウトライン
13. 中心点を2つ追加するため、「中心点の数:」テキストボックスに「2」を入力します。
14. [計画の作成]をクリックします。
以上の指定によって、3つの誤差因子がある状況で制御因子の最適設定を探しだすための、実験回数36の計画が作成されます。実験した後の分析での目標は、どの効果が重要であるかを判断した後、制御因子の設定のなかで誤差因子の影響をなるべく受けないものを見つけ出すことです。