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公開日: 04/01/2021

モデルをあてはめた後のオプション

「因子分析モデルあてはめ」の赤い三角ボタンのメニューには、以下のオプションがあります。

事前共通性

(共通因子分析でのみ使用可能)各観測変数の共通性の初期推定値が表示/非表示されます。「共通性の初期推定値」としてはSMC(Squared Multiple Correlation; 重相関の2乗)が使われています。SMCは、各観測変数がもつ変動のうち、すべての因子によって説明される変動の割合を、粗く推定したものです。

固有値

(共通因子分析でのみ使用可能)「SMCを代入した相関行列」の固有値とそれらの割合の表示/非表示を切り替えます。「SMCを代入した相関行列」とは、対角要素に共通性の推定値であるSMCを代入した相関係数行列です。その固有値は因子によって説明される共通分散を示します。途中までの累積パーセントが100%を超える場合があります。なぜなら、「SMCを代入した相関行列」は正値定符号行列とは限らず、負の固有値を持つ場合もあるからです。

表の下には、因子分析で使われた因子数が注として表示されます。

並べ替え前・回転前の因子負荷量

表示順序を変更していない、回転を行う前の因子負荷量の表示/非表示を切り替えます。

回転前の因子負荷量

回転を行う前の因子負荷量行列の表示/非表示を切り替えます。これらの因子負荷量は、観測変数の分散に回転前の共通因子が与えている影響の大きさを示しています。回転前の因子は直交解なので、因子負荷量は、回転前の因子と観測変数との相関係数になっています。絶対値が1に近いほど、その因子が変数に強く影響していることを示します。

「値が小さい負荷量を淡色表示: 閾値=」で指定されている閾値より小さい負荷量は、淡色表示になります。この閾値は、スライダーを動かしたり、テキストボックスに入力したりして変更できます。

「テキストの濃さ」も、スライダーを動かしたり、テキストボックスに入力したりして変更できます。

図9.7 「テキストの濃さ」を変更した、回転前の因子負荷量 

Image shown here

注: 「回転前の因子負荷量」行列での変数の表示順序は、同じ因子に関連する変数同士がなるべく隣り合うように並べられています。

回転行列

因子負荷量行列を回転するのに使われた行列の表示/非表示を切り替えます。

因子間相関

(斜交回転でのみ使用可能)斜交回転後の因子間における相関係数を表す行列の表示/非表示を切り替えます。

目標行列

(Promax回転でのみ使用可能)Varimax回転によって得られた因子負荷量行列の表示/非表示を切り替えます。

因子構造

(斜交回転でのみ使用可能)観測変数と共通因子との間の相関係数を表す行列の表示/非表示を切り替えます。

最終的な共通性の推定値

共通性の最終的な推定値の表示/非表示を切り替えます。なお、因子が直交解の場合、共通性は因子負荷量の2乗和と等しくなります。

標準化スコア係数

因子スコアを推定するのに使用される係数の表示/非表示を切り替えます。この係数は因子スコアをデータテーブルに保存するときに使われます。

各因子によって説明される分散

(直交回転でのみ使用可能)回転後の各因子によって説明される分散の表示/非表示を切り替えます。この表には、寄与率と累積寄与率も含まれています。

各因子によって説明される分散(他の因子を無視した場合)

(斜交回転でのみ使用可能)斜交回転後の各因子によって説明される分散の表示/非表示を切り替えます。この表には、寄与率も含まれます。これは他の因子による影響を無視し、各因子単独だけで計算されています。

有意性検定

(最尤法で推定した場合のみ使用可能)カイ2乗検定の結果を示します。

検定される帰無仮説の1つは、「H0: 共通因子が1つもない」という仮説です。この帰無仮説は、「共通因子は1つもなく、観測変数間には相関がない」という意味です。この検定は、Bartlettの球面性検定であり、「因子の相関行列が単位行列である」という帰無仮説のもとで行われます(Bartlett、1954)。

もう1つの検定は、「H0: N個の因子で十分である」という帰無仮説に対する検定です。ここでNは指定された因子数です。この帰無仮説が棄却された場合、観測変数間に見られる相関を説明するにはより多くの因子が必要であると結論付けられます(Bartlett 1954)。検定に使われる統計量は、対数尤度から計算されています。

適合度指標

(最尤法で推定した場合のみ使用可能)適合度指標の表示/非表示を切り替えます。適合度指標としては、Bartlett修正をしていないカイ2乗値、AIC、BIC、Tucker-Lewisの指標、近似の平均2乗誤差が表示されます。

因子スコアの指標

観測変数によって因子スコアがどれぐらい確定されるか(determinancy)を示す指標の表示/非表示を切り替えます。指標としては、重相関、重相関の2乗、相関の最小値が表示されます。これらの指標は、因子スコアを別の分析で使うことができるかどうかの目安となります。

並べ替え前・回転後の因子負荷量

回転後の並べ替えをしていない因子負荷量行列の表示/非表示を切り替えます。

回転後の因子負荷量

回転した後の因子負荷量行列の表示/非表示を切り替えます。なお、因子負荷量は、直交解の場合、因子と各観測変数との相関になっています。

「値が小さい負荷量を淡色表示: 閾値=」で指定されている閾値より小さい負荷量は、淡色表示になります。この閾値は、スライダーを動かしたり、テキストボックスに入力したりして変更できます。

「テキストの濃さ」もスライダーを動かしたり、テキストボックスに入力したりして変更できます。「値が小さい負荷量を淡色表示: 閾値=」で指定された閾値より、因子負荷量の絶対値が小さいほど、フォントはより透明になります。

図9.8 テキストの濃さを変更した回転後の因子負荷量 

Image shown here

注: 「回転前の因子負荷量」行列での変数の表示順序は、同じ因子に関係している観測変数どうしが隣り合うように並べられています。

因子負荷量プロット

回転した後の因子負荷量のプロットの表示/非表示を切り替えます。あてはめた因子分析モデルが3因子以上である場合、負荷量プロットは行列形式で表示されます。

スコアプロット

推定された因子スコアの散布図の表示/非表示を切り替えます。あてはめた因子分析モデルが3因子以上である場合、スコアプロットは行列形式で表示されます。

補完したスコアプロット

(欠測値がある場合のみ使用可能)欠測値の補完値を用いて推定された因子スコアの散布図の表示/非表示を切り替えます。

表示オプション

負荷量プロットの矢印の表示/非表示を切り替えます。

回転後の因子を保存

回転した後の因子スコアと計算式をデータテーブルに保存します。

注: この計算式は欠測値のある行を評価できません。

あてはめの削除

「因子分析」レポートから、モデルのあてはめの結果を削除します。このコマンドは、現在の内容を破棄し、「モデルの設定」の内容を変更し、新たに因子分析を行いたい場合に使ってください。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).