累積損傷実験(cumulative damage experiment)は変動ストレス試験(varying-stress experiment)とも呼ばれ、ストレスの大きさを時間とともに変化させる加速寿命試験です。試験で与えるストレスには、荷重・温度・圧力などがあります。多くのストレス試験では、複数のユニットを試します。各ユニットに対して、ある水準のストレスから試験を始めて、試験を進めていく過程で、そのストレスの大きさを変化させます。
累積損傷試験で最も一般的なものは、ステップストレス実験です。ステップストレス試験では、複数のユニットに対してストレスを段階的に変化させます。ストレスとしては、温度・圧力・電圧などが使われます。各ユニットに対して、あるストレスの水準から試験を始めて、特定の時点において、一斉にストレスの水準を変更します。その変更する時点から次の変更する時点までは、ストレスの水準を一定に保ちます。
「累積損傷」プラットフォームには、ストレスのパターンとして、ステップ関数以外にも3つのパターンが用意されています。
• ランプストレス試験では、ある水準から開始して、その後、時間とともに、指定された傾きで線形にストレスを増加させていきます。
• 正弦ストレス試験では、ストレス水準は正弦関数(サイン関数)で定義されたパターンで変動させます。
• 区分ランプストレス試験では、ステップストレス試験と同様、ストレス水準は区間ごとに定義されます。ただし、ステップストレス試験のように時点と時点の間で一定に保つ必要はなく、始点のストレス水準から終点のストレス水準まで、時点と時点の間で線形に変化させます。始点と終点のストレス水準が同じ場合には、ステップストレスのパターンと同じになります。
変動ストレス試験やステップストレス試験のデータに対するモデルの詳細は、Nelson(2004, ch. 10)を参照してください。