ロジスティック回帰は、カテゴリカルな応答変数(Y)の水準の確率を1つまたは複数の効果(X)の関数としてモデル化します。「モデルのあてはめ」プラットフォームでは、ロジスティック回帰モデルのあてはめに2種類の手法が用意されています。どちらの手法を使用するかは、応答列の尺度(名義尺度または順序尺度)によって決まります。
ロジスティック回帰モデルのあてはめの詳細については、Walker and Duncan(1967)、Nelson(1976)、Harrell(1986)、McCullagh and Nelder(1989)を参照してください。
ロジスティック回帰モデルを表すモデル式については、ロジスティック回帰モデルを参照してください。
応答変数が名義尺度の場合には、多水準のロジスティック関数に、線形モデルが最尤法によってあてはめられます。このモデルでは、応答の水準のうち1つを除くすべての水準が、ロジスティック曲線によってモデル化されます。応答水準ごとのロジスティック曲線は、指定のX効果の値での、該当の応答水準の確率を決めます。最後の応答水準の確率は、1からその他の応答水準の確率の和を引いた値です。その結果、X効果のすべての値において、応答水準の予測確率の和は1になります。
応答変数が2水準の場合は、「モデルのあてはめ」ウィンドウの「イベントを示す水準」で、どちらの応答水準の確率をモデル化するかを指定できます。デフォルトでは、最初の応答水準の確率がモデル化されます。
名義尺度の応答変数に対するモデルのあてはめの詳細は、名義尺度の応答を参照してください。
応答変数が順序尺度の場合、最尤法によって、応答の累積確率に対してロジスティック関数があてはめられます。このモデルでは、応答変数の値が各水準以下となる累積確率がロジスティック曲線でモデル化されます。それらのロジスティック曲線は、どの水準でも同じ形状で、水平方向の位置が異なるだけです。
ヒント: 応答変数に多数の水準があるときは、順序ロジスティックモデルの方が、名義ロジスティックモデルよりも、処理時間が短く、使用メモリ量も少なくて済みます。
順序尺度の応答変数に対するモデルのあてはめの詳細は、順序尺度の応答を参照してください。
JMPでは、他にもロジスティック回帰モデルをあてはめられるプラットフォームがたくさんあります。
• 連続尺度の主効果が1つしかないロジスティック回帰モデルは、「二変量の関係」プラットフォームであてはめることもできます。そこでは累積確率のロジスティック曲線プロットも描かれます。『基本的な統計分析』のロジスティック分析を参照してください。
• ロジスティック回帰モデルでの変数選択を行うには、「モデルのあてはめ」起動ダイアログの「手法」にて[ステップワイズ法]を選んでください。ステップワイズ回帰モデルを参照してください。
• リンク関数としてロジット関数以外を用いて、ロジスティック回帰モデル以外のモデルをあてはめたい場合には、「モデルのあてはめ」起動ダイアログの「手法」にて[一般化線形モデル]を選んでください。一般化線形モデルを参照してください。
• 罰則付きロジスティック回帰モデルをあてはめて変数選択を行いたい場合には、「モデルのあてはめ」起動ダイアログの「手法」にて[一般化回帰]を選んでください。一般化回帰モデルを参照してください。