起動ウィンドウで[フェーズ]に指定した列に、少なくとも2つの値がある場合は、「区分Weibull-NHPPモデル」をあてはめることができます。このモデルは、「累積イベント数の関数は、各フェーズの境界においても連続である(つまり、各フェーズの開始時間における累積イベント数は、その前のフェーズの最終時間における累積イベント数と等しい)」という制約のもとで、フェーズごとに異なるCrow-AMSAAモデルをあてはめます。このコマンドは、各フェーズが時間的に連続していることを前提としています。そのため、データテーブルにおいて、初めのフェーズを除いて、各フェーズは、そのフェーズの開始時間を含んでいなければいけません。複数のフェーズを参照してください。
このオプションを実行すると、「累積イベント数」グラフに区分モデルの結果が追加されます。青い縦の点線は、フェーズ間の境界を示します。また、このオプションを選択すると、「モデルリスト」も更新されます。図10.17では、「TurbineEngineDesign1.jmp」のデータに、Crow-AMSAAモデルと、区分Weibull-NHPPモデルをあてはめています。「モデルリスト」レポートには、両モデルのモデル選択規準が示されています。
図10.17 「累積イベント数」グラフと「モデルリスト」レポート
デフォルトでは、「区分Weibull-NHPP」レポートには、推定された「平均故障間隔」グラフが表示されます。フェーズは色分けされています。このグラフの下に、「推定値」および「共分散行列」レポートが表示されます。
図10.18 「区分Weibull-NHPP」レポート
[区分Weibull-NHPP]オプションを選択すると、デフォルトで「平均故障間隔」グラフと「推定値」レポートが表示されます(図10.18)。データの形式が、[イベントまでの時間の形式]である場合、このグラフの両軸には、対数スケールが使われます。プロットの詳細については、「平均故障間隔」グラフを参照してください。
「推定値」レポートには、モデルパラメータの推定値が表示されます。ただし、λの推定値は、最初のフェーズにおける推定値しか表示されません。区分モデルでは、「累積イベント数の関数は、フェーズの境界においても連続である」という制約が課せられています。この制約によって、最初のフェーズにおけるλと、各フェーズにおけるβから、各フェーズのλは一意に決められます。
区分モデルの推定値・標準誤差・信頼区間でも、単純なCrow-AMSAAモデルと同じように、最尤推定の枠組みが使われます。Crow-AMSAAモデルのパラメータ推定値を参照してください。この節で説明したような区分モデルに基づき、累積イベント数に関する制約のもとで、追加のパラメータが最尤推定されます。
あてはめたモデルのパラメータ推定値間の共分散行列を推定したもの。このレポートはデフォルトでは表示されません。
ここでは、「区分Weibull-NHPP」の赤い三角ボタンのメニューにあるオプションについて説明します。
このオプションは、「平均故障間隔」グラフの表示/非表示を切り替えます。「平均故障間隔」グラフを参照してください。
「強度」グラフには、フェーズごとに、強度関数の推定値と信頼区間が表示されます。区分モデルの強度関数は、通常、フェーズの境界において不連続になります。なお、グラフは、フェーズごとに色分けされているので、簡単に区別できます。データの形式が、[イベントまでの時間の形式]である場合、このグラフの両軸には、対数スケールが使われます。強度グラフの表示を参照してください。
「累積イベント数」グラフには、フェーズごとに、累積イベント数の推定値と信頼区間が表示されます。区分モデルでは、「累積イベント数の関数は、フェーズの境界においても、連続である」という制約が課せられています。なお、グラフは、フェーズごとに色分けされているので、簡単に区別できます。データの形式が、[イベントまでの時間の形式]である場合、このグラフの両軸には、対数スケールが使われます。累積イベント数グラフの表示を参照してください。
このコマンドを実行すると、平均故障間隔・強度・累積イベント数を描いた3つのプロファイルが表示されます(図18.11)。プロファイルでは対数スケールは使用されません。プロファイルの解釈と使用方法については、プロファイルの表示を参照してください。
区分モデルにおいては、平均故障間隔と強度は、フェーズの境界において不連続です。しかし、プロファイルにおいて、デフォルトの解像度では、その不連続性が正確には描画されていないかもしれません。「平均故障間隔プロファイル」と「強度プロファイル」において、フェーズの境界における曲線は、ほぼ垂直ながらやや傾斜しています。この曲線は不連続性を示します(図10.19)。このようなフェーズの境界部分の数値結果は、正確ではないので、推定結果として用いないでください。なお、これらの部分を、より正確に描画するために、曲線を描くポイントを増やすことができます。それには、Ctrlキーを押しながらプロファイル内をクリックし、ダイアログが開いたら、「プロット点の数」に大きい値を入力してください(図10.20では「プロット点の数」を「500」に指定しています)。
図10.19 プロファイル
図10.20 「因子設定」ウィンドウ