カテゴリカルな応答には、利益行列(profit matrix)を使用できます。利益行列では、望ましくない結果に損失(cost)を、望ましい結果には利益(profit)を割り当てます。
図4.13 「利益行列の指定」ウィンドウ
利益行列では、カテゴリカルな応答変数の実測値と予測値の組み合わせのそれぞれに対して、利益や損失を入力します。データには存在しないカテゴリを選んだ場合の損失を指定するには、「その他」列に値を入力します。指定した利益行列を列プロパティとして応答列に保存するには、[列プロパティとして保存する]チェックボックスをオンにします。このチェックボックスをオフにしておくと、利益行列は現在の「パーティション」レポートだけに適用されます。
応答変数が2値のときは、利益行列に利益や損失を指定するだけではなく、「利益行列の指定」ウィンドウで確率の閾値を指定できます。利益行列に基づいてどのような計算がされるかについては、『JMPの使用法』の利益行列を参照してください。
イベントを示す水準
確率をモデル化するときに、興味があるほうの水準を指定します。
確率の閾値
「イベントを示す水準」が生じる確率に対する閾値を指定します。「イベントを示す水準」が生じる確率が、この閾値を超える場合、そのオブザベーションは「イベント」として分類されます。
[利益行列の指定]オプションを使用して利益と損失を定義した後、[あてはめの詳細の表示]を選択すると、「決定行列」レポートが表示されます。「決定行列」レポートを参照してください。
利益行列を指定し、モデルの予測式を保存すると、データテーブルに保存された計算式列には以下のものが含まれます。
– <水準>の利益: データの各行、および応答変数の水準ごとに、その水準に分類した場合に生じる利益の期待値が表示されます。
– 利益が最大となる<列名>の予測値: データの各行ごとに、期待利益が最大となる応答変数の水準が表示されます。
– <列名>の期待利益: データの各行ごとに、「利益が最大となる<列名>の予測値」列の値に分類したときの利益の期待値が表示されます。
– <列名>の実測利益: データの各行ごとに、「利益が最大となる<列名>の予測値」列の値に分類したときに、実際には現在のデータ値であった場合の利益が表示されます。